ピースウィンズ・ジャパンの不可解な会計処理と回答渋る大西健丞氏

 保護犬事業などで一般からも巨額の寄付金を集めているNPO法人ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)の会計処理には、理解できない点が多くあります。

 理解するにはPWJやその関係団体から説明を聞く必要があるのですが、その多くで代表者を兼務しているPWJ代表理事の大西健丞氏からは質問への回答や説明がありません。

 彼はそんなに不都合なことを尋ねられていると考えているのでしょうか?

 12月前半、私は大西氏が代表理事を務めている公益社団法人 Civic Force(緊急即応チーム)には以下のような質問状を送りました。

 【問い合わせ】情報公開制度に基づいて広島県から入手したPWJ報告文書によると、公益社団法人である Civic Forceが2019年1月末時点で3億円をPWJに貸し付けていることがわかりました。これに関して以下の質問にご回答いただければ幸いです。

 (1)PWJがどのような事業に使うための貸付なのですか?また期間、金利等の条件も差し支えなければ、教えてください。

 (2)何を担保として設定したのでしょうか?

 (3)シビックフォースとPWJはどのような関係にあるのですか?

       ◆ ◆

 これを送った翌日、Civic側からは「お問合せいただいた内容は、事務局が確かに受領させていただきました」とのメールが届きましたが、その後は電話をしても担当者不在等で連絡が途絶えています。

 PWJは2017年度(2018年1月期)決算で債務超過になりました。

 保護犬のピースワンコ事業の収支は黒字で、貯金もどんどん増えているのにどうしたことでしょう?

 こころあるNPO経営者であるなら、この時点で、寄付をしてくれた人はもちろん、これから関わりを持つかもしれない不特定多数の一般の人たちにも伝わるよう、債務超過になった理由や経営立て直しのために講じる対策、展望などについて詳しく説明するでしょう。

 Civic ForceからPWJが3億円を借りたのは2018年度(2019年1月期)決算です。

 ホームページなどで公表されている事業報告や財務諸表からは確認できません。広島県が情報公開請求に応じて公開資料で初めて明らかになりました。

 Civic Forceは公益社団法人です。

 10年前の設立にあたって、投資家村上世彰氏からの資金拠出も受けているようですが、公益法人が預かる以上、銀行や村上ファンドのように自分の思いのままお金を運用できる法人や個人のお金とは違います。

 公益法人のお金の使いみちはかなり制約を受けています。しかし、大西健丞氏はその法人の資金も自分の意のままに使ってよいという勘違いをしているかもしれないと私は心配しています。

 PWJの2018年度決算は黒字となり、債務超過から脱出しましたが、それは事業の収支が改善したのではなく、ドイツ人芸術家ゲルハルト・リヒターがPWJに善意で寄贈した作品が4億5千万円の鑑定評価を受け、資産が増えたからにすぎません。

 債務超過にいったん陥った法人に対する金融機関の審査はとても厳しくなるのが通例です。PWJの場合は投資家村上世彰氏の関係先からの借り入れを急増させています。

 まさか、Civic Forceの大事な財産がPWJ決算時の不足資金の穴埋めに用立てられたりしていないでしょうか?私はそれを確認したいのです。

 村上氏関係からの借り入れと比べてもCivic Forceからの借り入れは決して小さいものではありません。

 代表者がいずれも大西健丞氏ですから、貸し手、借り手の利益相反関係が生じてしまいます。

 それをどのようにして処理したのかも含め、Civic Forceや大西健丞氏からの説明を聞いてみたいと思っています。しかし、なかなか説明が得られないので公益法人の所轄官庁である内閣府に入手できた資料を提供することにしました。

 Civic Forceは朝日新聞社のクラウドファンディングサービスを使ってお金も集めようとしているので、念のため朝日新聞にも、資金調達にあたってCivic Forceのガバナンスをどのように審査しているのか問い合わせたいと思っています。

 投資家村上世彰氏は証券市場で再び活動を再開しているようです。大西氏や村上氏らの動向は、日経ビジネスハフィントンポストによく紹介されますね(^-^)

 だらしない経営をしている社長さんや役員たちは株主総会で株主提案をがんがん突きつけられるので戦々恐々でしょう。

 村上世彰氏は企業のコーポレートガバナンスを問うのと同じように、教え子のように可愛がっている大西健丞氏のNPOや公益法人のガバナンスについてもしっかり意見を言って、情報開示させるべきだと思います。




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