見出し画像

太平洋クロマグロ、2025年から大幅増枠へ① 「小型魚保護」で着実に資源回復

 太平洋クロマグロの資源回復が着実に進んでいて、2025年年から国別の大型魚(30キログラム以上)の漁獲枠を50ー100%拡大することも議論されています。今後は増枠を前提として、国内の配分をどのようにしていくかが大きな争点になるでしょう。
 中西部まぐろ類委員会(WCPFC)などの依頼を受けて資源評価を行っている国際科学委員会(ISC)の分析によると、太平洋クロマグロの産卵資源量(SSB)は2022年時点で約14万4千トン、初期資源量の23.2%の水準でした。5万トンを切り、資源絶滅に向かう恐れさえささやかれた2010年を底に回復に向かっていて、WCPFCが当面の目標としていた初期資源量の20%という水準は2021年に達成したとみられています。
 2015年以降、小型魚の漁獲削減に取り組んだ結果、小型の若齢魚の死亡率が低くなり、2015-2017年に生まれたクロマグロが多く生き残って親魚になっているものと推定されます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?