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「正欲」という本を読んだ


こんにちは。

多くの方は3連休のはじまりに胸を躍らせ、お天気も良くキラキラした土曜日を迎えているところでしょうか。

残念ながら私は本日もお仕事があり、お休みは明日からの2日間となっております。
それでもお休みがあるのはありがたいし、同じ3連休でも金曜日より月曜日に仕事がないときの方が、幸福度が高い気がします。

明日は、彼のお家でチョコレートケーキを焼き(我が家にオーブンがないため)、ケンタッキーでバリューセットを購入し、バレンタインっぽさをなんとなく味わう予定です。


そうだ、皆さまの中で「グラサージュ」を経験している方はいらっしゃいますか?👩🏻‍✈️

グラサージュとは、”チョコレートソースやジャムでケーキなどをコーティングし表面に艶を出すために行う調理法で、ケーキやムースを乾燥から守る役割も果たす”といったものなのですが、なんとなくピンときますかね。

チョコケーキの表面にかかっているつやつやのチョコのことです。パリパリではなくて、ねっとり系のやつです。

彼の希望でそのグラサージュを施したケーキを作る予定なのですが、、これがちょっと不安要素で、、


勿論私はグラサージュ未経験者なので今回が初挑戦となるのですが、お菓子作りって分量も厳守だし、煮詰めるな!とか分離させるな!とか温度はこれ以上にも以下にもするな!とか、すごく精度の高い集中力が求められるじゃないですか。

元々自炊をするので料理自体は好きなのですが、これが普段からあまりレシピに忠実でなくて。(さも料理上手みたいな発言ですが料理中に手を止めて文字や動画を追うのがめんどくさいだけ)

必要な材料や調味料を把握したらあとは混ざれば同じ・火が通れば死なない精神でどうにか形にできるのですが、お菓子ともなるとそれが利かないですよね。

しかも手先が器用ではないので、レシピをじっくり見たとて写真に出てくるきれいなコーティングがそのままできるかもわからず、、
お家にオーブンがあったら一度くらいなら練習ができたのかもしれませんが、ぶっつけ本番なので結果はその時になってみないとわかりません、、汗汗

うまくいってもうまくいかなくても、いつかご報告しますね。



また前置きが長くなってしまいましたが、
ここで本題に突入いたします。

タイトルにもあるように、私は最近朝井リョウさんの「正欲」という本を読みました。

元々朝井リョウさんの本は何冊か持っていて、好きな小説家さんの一人でした。その朝井リョウさんが新しい単行本を出すということで発売前からワクワクしており、店頭に並んだらすぐに購入しました。これが約3年前のことです。

私はこの時期にちょうど韓国アイドルにもはまり始めたため、そちらの供給を追うことで忙しなく、気づけば買ったままの状態で3年の年月が過ぎ、ついには文庫版が出ていました。

映画化され、ゴロちゃんやガッキーが出演するということで話題になったのをきっかけに、私の中での正欲への興味が再熱し、読了に至りました。

「複数の人物の目線から描かれた全然別の物語が、徐々に一つの結末に収束していく。」
こういう展開のある小説を読むのがすきな私にとってはとても好みの作品でした。


この本の題材はとても簡単に言うと特殊性癖についてで、本の中にも様々な性癖が例として出てきます。

私は今まで生きてきて、自分の性に対して心と体の乖離を感じたこともなければ、Xなどでそういった内容の発信が流れてこない限り、普段から意識すらしていませんでした。

それくらい当たり前に自分を女性と認識し、異性を性対象として見ながら過ごしてきました。

確かに物語に出てくる1人の女の子のように、男子の目が怖い・男子とうまく話せないという時期はありましたが、それは単に思春期だったこと、そして自分に自信がなかったことが要因で、大学生にもなれば次第に克服できました。運よく、周りに性欲を丸出しにしている怖い輩が少なかったおかげかもしれませんが、、。


結果として、この本を読んだから自身のセクシャリティについて何か疑問を抱いた、とか、何かに強く共感して胸を打たれた、とか正直全然ありませんでした。
マジョリティ・多数派とカテゴライズされる一人間として「こんなもんもあるのか~」と傍観した感覚に近いと思います。

ですがこの本を通じて、本に出てきた以外にはどのようなものが特殊性癖にあたるのかということに興味を抱き、その中で、マイノリティとされる事柄の想像以上の数に驚きました。

そもそも対象となるものが人とは限らないこと(機械や自然災害も時にその対象となるらしい)、犯罪を犯すこと・亡骸を見ること・赤ちゃんのふりをすることなども、どこかの誰かにとっては気分が高揚する要素になるとのことです。知らないことが多くありました。

いつどのタイミングでそれに気づくのかはきっと人それぞれなんでしょうね。


食べものをあまり噛まないで飲み込む友人が、のどを物が通る感覚が好きと言っていたことを思い出しました。
その時はよく分からないな〜と思っていたけど、こういう嗜好も性的な何かはないにしても、生きてきた中で自分が気付いた自分の好きな感覚なんだろうなとなんとなく腑に落ちた気がしました。


ん~~。

とても難しいテーマだったので下手に口を開く気にはなれませんし、この小説ハッピーエンドかと聞かれると、私の感覚からすれば決して頷けるものではありませんでしたが、

一方では悪として扱われるものも、もう一方では命つなぎになりうるもので、私が毛嫌いしている何かを、隣の人はもしかしたら自分の命の次に、なんならそれより愛している可能性もあるわけで。

小説を読んでるなかで私は、特殊な性癖を持つ人よりも断然、そういう人に対して"気色悪い" "犯罪者だ" "どっかへ隔離しろ"という言葉を投げかける無知の多数派の存在を怖いと感じました。
あえて、そういう描き方がされてるのもしれませんが。

○○する人ってありえなくない?!っていう私の言葉に、知らず知らずのうちに傷ついている人がいるのかもしれないと思うと、
なんか、わからないですけど、一方的に何かの価値観を完全否定することって時に暴力なのかもと、自分のふとしたときの行動に恐怖を感じました。


…それくらいですかね。

長々と書いているうちに自分が何を感じていたかも段々わからなくなってきてしまいました。
読んだ、という記録だけ残して、潔くこの辺で終わりにします!


知識も知見も語彙力も、いま自分の手元にあるものがあまりに少なくてぎょっとしちゃったけど、
3年前よりはこのタイミングで読めたことがなんとなく正解な気がします。うん。読めてよかった。

次は朝井リョウさんのもういちど生まれるという小説を読む予定です。
その次は益田ミリさんの本も読みたいし、湊かなえさんの本も読みたいし、、買ったまま本棚で眠っている本が沢山あるので、他の趣味とバランスを取りながら読書の時間も設けたいと思います。

それでは。

まだ完全に夜ではありませんが、さようならは変な気がするので、
おやすみなさい。

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