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化石ハンター展でゴビ砂漠の恐竜に出会う!

東京・上野の国立科学博物館で開催中、「化石ハンター展」に行ってきました。ゴビ砂漠の恐竜骨格多数!史上最大の陸生哺乳類を仰ぎ見る!と、ワクワクドキドキがいっぱいの見学体験をご報告します。

中央アジア探検隊による未踏の調査100周年!

科博の化石ハンター展入口

いつものように事前予約が必要ですが、こちらの展覧会、「事前予約」と「チケット購入」が別々になっていて、オンラインで事前予約して、当日会場でチケットを購入するということが可能でした(そうすれば、万が一行けなくなっても、チケットがムダにならない)。

夏休み中は混雑必至、10月10日までやっているので、待てる人は9月に入ってから行くのもいいかもしれません。

中央アジア探検隊の調査ルート(主に1920年代)

伝説の化石ハンター、ロイ・チャップマン・アンドリュース。100年前の1922年、「中央アジア探検隊」を率いてモンゴルのゴビ砂漠に恐竜化石に発掘に出かけたアメリカ人。日本でクジラの標本調査をしていたこともあるそうです。

ゴビ砂漠は今でこそ恐竜化石の宝庫として知られていますが、当時はまだ「サイ科の歯化石1本」しか見つかっていなかったとのこと!のちにアメリカ自然史博物館の館長になったアンドリュース、若い頃はまさに開拓者だったわけですねえ。

「炎の崖」から恐竜化石が続々と

1923/25年に「炎の崖」で見つかった恐竜の卵複製

GPSなんてない時代に4WD車とラクダで出発、太陽と星を頼りに進んで度々迷う(!)という信じられないような環境の中、夕暮れ時になると燃えるように輝く「炎の崖」で、白亜紀の恐竜化石を続々発見!

中には30個近くの恐竜の卵も。実はその頃、「恐竜は卵から生まれる」ということがちゃんとわかっていなくて、この卵を調査した結果はっきりしたのだとか。ここ100年の間の進歩ってすごいんですね!

ベロキラプトルもモンゴルで発見

映画「ジュラシック・パーク」で"頭のいい恐竜"としてすっかり有名になったベロキラプトル。この顔になんとなく見覚えがありますね:-)。実際には映画よりずっと小さくて、七面鳥くらいのサイズしかなかったのだとか。

この展覧会では、国立科学博物館、福井県立恐竜博物館のほか群馬、兵庫、岡山など日本各地の化石が大集合(中央アジア探検隊の調査の後、モンゴルで発見されたもの)。「日本にある化石だけで、こんな大きな展覧会ができるの!?」と、なんだかビックリです。

史上最大の陸の哺乳類は、ゾウよりはるかにデカい!

史上最大の陸生哺乳類パラケラテリウム

アンドリューの中央アジア探検隊は、そもそも「哺乳類の起源がアジアにある」ことを確かめにゴビ砂漠に行ったのですが、こういう古代の哺乳類の化石も多数見つかったそうです。

史上最大の陸生哺乳類であるパラケラテリウムは、現地の人に「人間よりも大きな骨がある」と聞いて出かけていったところ、発見できたとのこと。陸上の大型動物といえば真っ先にゾウが思い浮かびますが、パラケラテリウムは胴体が人間の頭上に!規模が全然違う!

寒冷地の動物の祖先?500万~320万年前のチベットケサイ
チベットケサイの復元。サイに似ているけれど毛がふさふさ

その昔チベット高原は今の北極圏くらい寒く、シベリアなどで生きた寒冷地仕様の動物はチベット起源なのではないかという「アウト・オブ・チベット説」があります。

その説を支えるのが、500万~320万年前の「チベットケサイ」の化石。展覧会には「剥製か?!」と思えるくらい精巧な復元がありました。うーん、確かにマンモスとかと雰囲気が似ているような。。この長い角で地面の雪をかいていたのではないか、ということです。

おまけ:チベットケサイの寝袋

充実のショップ、まさか寝袋!?

展覧会のショップはオリジナルグッズがそろっていてかなり充実。しかし、「チベットケサイの寝袋」を見たときには我が目を疑いました。ウケ狙いとしてはいいかもしれないけれど、値段はなんと11万円!:-) 完全受注生産とのことですが、果たしてどれくらい注文があるのか(そして誰がこれを作ろうと言い出したのか)、気になるところです。。

いろいろ学びどころ、突っ込みどころ満載、インスタ映えもする「化石ハンター展」、ぜひ足を運んでみてください!

特別展「化石ハンター展~ゴビ砂漠の恐竜とヒマラヤの超大型獣」
ロイ・チャップマン・アンドリュースの中央アジア探検100周年記念
国立科学博物館(東京・上野)
2022/7/16(土)~10/10(月・祝)


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