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『おやすみオポチュニティ』映画感想。

アバのSOSで泣かされるとは思わなかった。
90日間の火星探索の命を帯び、火星に降り立つ双子の姉妹ローバー・オポチュニティとスピリット。
到着した矢先に機械トラブルに見舞われるスピリット。
彼女を起こすために目覚ましソングを流すのだが、そのセレクトがアバのSOSだった。
“あたしの声が聞こえないの?S.O.S.“という歌詞と異星でたった1人困り果てるスピリットの状況がマッチしていて、スピリットが愛おしくてもう泣いてしまった。

この映画を観ていると、人間や生き物かどうか等、カテゴライズしていることがいかに無意味かということを思い知らされる。

そんなものははなからなく、どう足掻いても他者と完全に分かり合えることはない。
それでも、その対象に心を尽くして生きたという事実だけは実態として残っていく。
他者に対する思いが反射鏡のように投げかけた側の心を豊かにしていくのだ。
そこから演繹法で、愛情深い人が最も幸せな人生を送るというごくシンプルな解答に繋がっていく。

人が幸福に生きゆくためのシンプルな解答はそっくりそのまま伝えられるときな臭く感じてしまうものだけれど、別視点から享受してくれているので、かなり受け入れやすかった。

人が1人では生きていけないというのは、愛情を注ぐ対象がなければということ。
愛を持って、自分以外の物事に対処し続けていれば、孤独という感情は湧いてこないのかもしれないな。

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