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#透明人間

【詩】透明人間

【詩】透明人間

誰の目にも映らない私には

そもそも居場所なんてない

挨拶は私の目の前を通り過ぎる

交錯する人と人の声

少しだけ心が痛む

その痛みはどんどん増幅し、私を蝕んでゆく

レースのように透けてしまった私は

人々の生活のの背景となり

呼吸するための器官さえもう残っていない

息ができない日常はこうやって形成させれゆく

私は透明人間

痛みだけが私が私であることの証明