no title
私はフォークを突き刺した。
それは料理になのか、テーブルになのか、他の何かになのか。
わからない、でも突き刺した。
怒りなのか、悲しみなのか、それとも狂うような快感なのか
わからない、でもフォークはそこに突き刺さっている。
痛みも、悲しみも、苦しみもなかった。
ただ茫然と立っているだけ。
「満足したか?」
誰かが聞いてくる。
やけに挑発的だということしかわからない。
声の主も、表情も、何のために聞いてきたのかも分からない。
「うるさい、ほっといてくれよ」
私は声を荒げる。
頭を掻きむしり、叫び、その場に膝をつく。
「ほっといてくれよ、構わないでくれよ、俺をそんな目で見ないでくれよ」
相手がどんな目で見てきているかなんてわからない。
吐き気がしただけ、それ以上は何も感じていなかった。
「満足したか?」
繰り返し聞いてくるそいつは、まるで機械のように冷たかった。
頭を壁に打ち付ける。
絶叫する。
膝からは血が出ていた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?