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アニメ『蒼穹のファフナー』感想 『私』と異なるものとの出会いのアニメ

ファフナーとは

日本の片隅に浮かぶ竜宮島に、ある日突然、不思議な声が響き渡った。「あなたはそこにいますか…」そしてその瞬間、謎の敵によって竜宮島は襲撃される。島に暮らす少年・真壁一騎は、切り札として用意された兵器・ファフナーに乗り込み、戦うことを決意するのだった。

dアニメの蒼穹のファフナーのページのあらすじより

異種族との出会いが戦いを生む

ファフナーと言ったらあの有名なセリフ
「あなたはそこにいますか?」ですが、これは敵の種族フェストゥムが攻撃前に発するものです。
回を進めていくごとにこのセリフが恐ろしくなっていきますが、なぜこんなに恐ろしいのでしょうか?
フェストゥムは人間と全く違い、個体が理解できない生命です。群体を形成する微生物とはちょうど逆で分裂しても一つの生物であり続ける種族なのです。個体が理解できないので、人間は同化して一つにしてしまえという乱暴な生き物です。
ですが、読心能力という一種の超能力を持つため、いかにも人間を理解しているような振る舞いもするため、虫と相対しているような怖さがあります。
問答無用で同化してくるフェストゥムは人類にとって恐怖でしかなく、何とか排除しようとします。武力、知力をを駆使してなんとか倒そうとして争いになっていきます。
この設定は争いがお互いへの無理解、お互いのことの無知から生まれることの象徴となってます。最初から仲良くできればいいけど、そうはできないことの象徴にもなっているようで、最高です。

戦いがお互いの理解を生む

人類にとって本当の意味で未知の存在であるフェストゥムと争うことでお互いがどんな存在か知っていくのです。
フェストゥムは個体の概念がなく、一緒になるか、消し去るかという二択しかない。感情もない。無いない尽くしの相手。
人類はフェストゥムから見ると個体と群れという同生物なのに違いを主張してくるし、感情という訳の分からないものを持って、それを行動の指針の一つにする。訳の分からない複雑な概念の塊。
争い、互いを攻略しようとする行為の中で相手の性質についてわかってきます。普通の感覚だと仲良くしたくて、相手を知りたいと思うんだろうと言いたいでしょうが、現実は人間社会でもゲーム理論のように相手を戦略の一環として理解していく場面が多いですね。
相手を理解していくことで妥協点が見いだせます。妥協点は有効な関係を築くのに必要ですね。
ファフナーの話に戻ると二クール26話かけてお互いを少し理解するという内容になりますが、人間はフェストゥムの性質を、フェストゥムは人間の感情と個体の概念を学んでいきます。
ただフェストゥムの学んだ人間の感情がとてやるせなくなるんです。これはファフナー一期26話を見てほしいです。

個人的におすすめの蒼穹のファフナーの見方

一期はまず15話まで見てほしい、15話にしてやっと設定があきらかになるんですが、そこから続きが気になってきます。というか止まりません。

一期全部見終わるとそこでいったん終わりたくなりますが、続けて映画も見てほしい。正直映画まで見ると、よりテーマがはっきりします。

映画見たら、二期のみを視聴するか、二期三期続けてみるかはそれぞれに任せたいです。

ですが二期までは一気に見てほしいですね。異種族との出会いからぶつかり、互いに共存派が生まれるまでの経緯はほんとスリリングで精神力を試されますが、楽しいです。


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