生きる為の教本『穢翼のユースティア』感想Part1
プレイ前の第一印象
このゲームを知ったきっかけはOP、『Asphodelus(アスフォデルス)』
広がりをみせるような音韻、コーラスと陰鬱さが漂う歌詞として印象は強いです。
他の方も、OPから先に作品を知った人が多いのではないでしょうか?
この歌詞だけでも、”孤独”や”悲しみ”とかマイナス感情の
言葉が出てきます。
ハッピーエンドはないなと予感されるような歌詞になってると感じました。
自分はヒロインすら調べずにプレイしたので、自分にインプットされてるのはOPの情報と
あとは、「ダークファンタジー」というジャンルだけですね
プレイ後の印象
ファンタジーチックな音楽、それこそFF9に近いのかな?そういった印象を受けたBGM群。
タイトル画面のBGMを聞いた時は、幻想的な音楽と感じれたし、世界観に合っている印象を受けた。これから何を待ちうけているか。。。そんな期待感さえも
OPをティアがカバーしているverもあり、クリア後に聞くと逆に希望に満ちた曲に聞こえるのも面白い(多分人にもよる)
伝えたいテーマは最初から最後まで分かりやすく
「生きる意味とはなにか?」
各キャラクターはそれをノーヴァス・アイテル(空中都市)で残酷な現実と嘘にまみれた世界で必死に生き、見つけて行くことになる
自分の目で「見て」「聞いて」真実と受け止めるか、虚実だと受け止めるかキャラクターは勿論プレイヤー自身にも問いかけてくる
その分真実を明かされた時は、ミスリードになったプレイヤーにとっては衝撃が強いものになっている
キャラクター自身の成長も魅力。主人公も例外ではなく、自問問答しながら時には、信仰や正義、人などに依存し成長していく。
その過程を見て自分はこのタイトルに「生きる為の教本」というタイトルをいつけるのがピッタリと感じた。
本作は、一本道のヒロイン脱落型のシステム
各√は非常に短く、良くあるおまけシナリオと同じボリューム感。
その分、本編に関しては、パート毎に一人のヒロインに集点をあつめたシナリオになっており実質な√と言って良い。
その為、他のメインヒロインに関しては出番が無い、もしくはほとんど無いので掛け合いの少なさに関しては残念な所があるが、パートのみのキャラクターも存在している為、日常パートに関しては逆に新鮮味を常に感じれる設計になっている
その分ヒロイン同士の邂逅は、重要な場面となり易くお互いのパーソナリティをぶつけた会話になるので、感慨深い会話になる。
プロローグ~OP
ティアとの出会いが主に描かれます。
上層の貴族の召使として働かされたティアが、牢獄の娼館に輸送される際に黒羽に襲われ死亡します。
しかしカイムがティアを発見した際に、
「終わりの夕焼け(トランジェディア)」と同じ光を放ち蘇生します。
そこでカイムは、普通の羽化病罹患者とは違う事に疑問を持ち、
「大崩落(グラン・フォルテ)」の際起きた現象と関連があると思い、保護をする。
蘇生をする時点で普通の人間ではないだろうとセンターヒロインらしき
特異性。
ティア自身は真っすぐで純粋な子。ポジティブで少しドジっ子な所はあるけれど召使をしていたので、料理や家事全般はお手の物。家庭的の女の子はいいよね
最初からネガティブだったらと思うと、終盤ぞっとする…
他人を第一に考えるが、生には執着心が人一倍強い印象。
天使から、
「どんなに辛くてもくじけちゃいけない。お前には生まれてきた大切な意味があるのだから」
多分、本能で生きたい!っと部分もあるのだが(人間として当たり前)
生まれてきた大切な意味を知りたい思いと、使命感で動いてるんだろう
「辛いのはなれてますから」って口癖のように自分に言い聞かせて必死に耐えてるのは胸が苦しくなる…
他人を第一は勿論だが、カイムには気を許すようになり、羽狩りの強引な保護を見て迷惑はかけたくないと、家を出ていく。
そんな一人で生きていける程、牢獄は優しい訳でもなく…
…黒羽に狩られてしまう。やはり一番最悪のケースが襲うのがこの世界。
死ぬ間際まで握られていたのは、買い与えた安物の首飾り。
大体主人公がプレゼントしたものは、キーアイテムになりえるので
首飾りの終盤の役割もワクワクしながらみてました。
ここまでティアを見つける道中でフィオネとカイムが対峙しますが、ネームドであるフィオネをあっさりと無力化した力関係を描いて、カイムの強さが分かりましたね。正面きっての強さもありますが、ずる賢さも備えてるようなそう感じさせれました。
戦闘シーンも暗闇の背景が鍔迫り合った際の火花で明るくなるような演出は見栄えが良かったです。
死んだティアは、
「終わりの夕焼け(トランジェディア)」と同じ光を放ち蘇生します。
ここからOPが始まると共に真の不条理が始まる合図ともなりました
一章 フィオネ
フィオネは正義感溢れる、大人びいた振る舞いをする印象
自分で社会を変えられるという自信の元に行動している。理想を追い求めどこまでも感情論で動くキャラクター
とういのも悲壮な人生を送っているので、いない兄と父への手向けとして最低限の理想像を保ちたいという願いのような呪い
羽狩りの隊長を務めて部下を纏めており、牢獄民には協力的に且つ友好的な関係を築きたいと思っている。現実は、牢獄民に羽狩りと呼ばれているように疎ましく思われているのだが…
作中では、あまり強さは目立たないがシスティナぐらいなのかな?
恐らく作中最格のガウからは痛手を負って逃げきれるぐらいの腕はあると
一章の話的には、伝奇ものの様な話。黒羽という牢獄で起きている殺人事件を事件をカイムパートナーになり追っていく。
カイムと一緒に事件をおっていく内に、打ち解けていきフィオネの人間的な成長も促されている。
娼婦に対しての強い偏見。自分が軽蔑していたものをその背景などを知りイメージを払拭して考えを改める
ティアを羽根つきと知ってしまったが自分の矜持を曲げてでも、家族を守る意思を見せる
仕事を生まれてきた意味と考えてる中で自由な生きる意味を確立する
感情論から論理的思考に
例えば、意地でも羽狩りの制服で仕事をしないと意味がない、この姿でないと牢獄民に羽狩りの印象を改善する事がないと考えており、頭はお役人らしく固いが信念を貫く姿勢は好感が持てる。
牢獄民は羽狩りには非協力的なので、制服を見た途端邪険に扱われる。
カイムも調査が進まない事に頭を抱えており、フィオネに私服での
調査を進言するが最初の内こそ拒否される
これも一つの仕事の在り方ではあるな、現実で言うと政治家とか?
政治家とかあとは生徒からみた教師とか色々現実世界に当てはまる様な職業もありそうだ。
カイムの魅力の一つとして、返しの上手さが顕著に所々でているなと感じさせられました。レスバが強い。
カイムのセリフは、ヒロインの成長をも促す促進剤になっている。
確かに精神科医とかも、一人一人の話を真面目に受け止めてしまうと病んでしまう話を聞いた事があるので、その通りなんだろうなと。批判とは違うが
正しいものは正しいと思い込む節があり、防衛局の部下に信頼を置いてる。
防疫局を崇高な職業として疑わないからこそこのセリフなんだろう
けども
結局は感情論で動くフィオネと合理主義者なカイムとは対になって平行線な会話を繰り広げる
こんな流れフラグにしか聞こえないんですけど…
黒羽(仮)正体は、消去法でも怪しいと思っていたラングさんでしたね。
黒羽の模倣犯として暗躍し、過去の復讐を遂げる為だけに防疫局に入ったキャラ。
羽根付きを憎むんだったら、後半ティアを襲うようなポジションとして活躍しそうなもんだが…立ち絵もあってもったいない
最後には自決してしまいましたね。
でもこれがラングの羽根付きに天罰を与えると考えた「生まれてきた意味」
ラングの母を殺した、羽根つきは天使様の遣いだと言い訳したがある意味間違っていないなと二週目は感じました。
だって、天使様根暗で人間恨んじゃってますから…
ある意味セリフとか、二週目だと的を得ていたと感じれたので重要キャラクターだったなと。教会と言う怪しく聞こえるワードも関わっていればただの狂人だと初見は思ってしまう
だけど既に天使は人間に汚されてしまっているのだから
信頼していた副官の裏切り、カイムへの罪悪感が圧しかかって弱気になる
フィオネ。
このギャップがね…尊い
カイムも罪な男なんですよね。励ましだろうけど弱っている所につけこむなんて…
一章で一番好きなシーンです。
フィオネも感極まって泣いてしまうのですが、カイムの優しさという部分もあるだろうし、一番は兄にも頭を撫でられた事が思い起されたんでしょうね
このCGは大好きですし、グッとフィオネとの距離が近づいた感じがありますね
俗に言う、引き寄せの法則ですね。
自分もつらい時は、悩んでる時でもこうありたいと思わせる、カイムの良いセリフだと思います!
早速、教訓になりえる言葉が出てきましたね。
フィオネを在り方を指す言葉。
これまでの人生や家族の犠牲を否定しないために、『運命』という言葉で自分を縛っている。自分でぎりぎり耐えて頑張ってると言ってるようなものだ。
そういう面では自分で辛いことに慣れてると思い込むようにしているティアに似ているなと。
同じ生き方をしていたら擦り切れる人もいるだろうに、その点ではフィオネの心の強さが分かる。
ティアが羽化病罹患者と知り、ここまで潔癖さを持ったフィオネがこの章での一番の問題「黒羽」を捕らえられるまでの猶予とティアの秘密を守る事をカイムに取引を持ち掛ける。
黒羽は身内である兄だと分かってしまったフィオネ。
公平無私の義に反しているフィオネは、卑怯だと考えているがそれは、牢獄にない高潔さであり、カイムにとっては好印象。
牢獄の治安的にも悪という概念自体存在しない環境なので、そこで罪を認められるフィオネの在り方にカイム自身も惹かれていたのだと思う。作中に何度か惹かれているという書き方がなされていた。
ティアがいなければ正妻ポジ、2番手ヒロインじゃないだろうか。
次に対峙した時、兄である黒羽を正気に戻す為に必死に呼びかける。
時々正気に戻り、衝撃的な事実を述べる。治癒院は実験施設だと言うことを
この選択股初見では分かりずらすぎる…泣
フィオネが決着つけさせた方が綺麗に清算できて√入ると思っていたが、余計に自分への枷をはめた結果となる。
生きる意味を見失いかけたグランド√と新しく生きる意味を探す様になったフィオネ√との分岐になった。
カイムに撫でられて泣いたのは兄との思い出も含まれているんだろうなと、このCGで分かった。黒羽も正気を取り戻し、剣術の稽古をしてるかのように致命傷を避けてフィオネを攻撃してくる。
最後に自分が教えられる事を教えようとしているそして、自分を乗り越えて強い人間になって欲しい、そんな名シーンで思わず涙腺が…泣
真実を知り「父の生き様、兄の生き様、自分の生き様」価値あると思っていたものが崩れてしまい全て崩れ落ち道を見失う。
心の拠り所を失い、運命と言う言葉で依存しきっていたフィオネにとって、最後の支えてきた柱が折れた瞬間でもある。
依存している程、失った時の虚無感をまさしく体現していた。
人形みたいになってほしくない思いで(おそらくエリスを見てきたからこそ)フィオネの本質を皮肉った言葉で家族の事も含め侮辱し、焚き付ける
結構次の√との関連性があるのはこの作品の面白さだと思う。
フィオネ⇒エリス
エリスの様な生きる意味がない人形になって欲しくない
コレット⇒リシア
盲目で自分の信仰(世界)で生きている少女と自分の目で世界を見て判断しようとしている少女
のように対比や関連性が随所にある。
カイム自己犠牲が過ぎて本当にイケメンすぎるなと。
あんだけ、良い関係になったフィオネにこころもないセリフで救いの手を差し伸べるのは、カイムの兄に遺言で託された呪い「立派な人間になる」自己肯定の為なのか、カイム自身の思いか、はっきり分からないが今回ばかりは後者だろうか。
これまで感情論で動いていたフィオネが、論理的に考える事を始めた瞬間であり、フィオネというキャラクターの成長が垣間見えた心の声で章の終盤を迎える
カイムと親密なったが、こうもあっさりと切り捨てれるのは女性らしさを感じた。
こうして、フィオネの「生きる意味は」
①カイムを見返す反骨心
②これまで散った命や兄の残した物を引き継ぐ事
としてこれからの物語をいきる様になる。運命ではなく自分の意思で見つけた意味なら太く折れにくいものだろう。
フィオネの章からは、自由という崇高さと思考する生き方が大事なんだと自分は感じました。
こうして、物語はカイムの過去の深堀、エリスの狂気、牢獄内での《不蝕金鎖》と《風錆》対立を描いたエリスの章に続いていく…
フィオネ√
いままで、努力した事には意味はある。
結果的には、報われなかったとしてもその結果が分かっただけでも価値のある様なそんな言葉。
フィオネ√に関しては今まで呪いの様に縛っていた防疫局を辞める決断をし、それをまた主人公も肯定的な対応になる。
恐らく、兄の死をカイムが受け持つ事になった分「生きる意味」を探せるだけの余裕が出来、前向きな自分になった。
それもまた彼女の新しい生き方
いままでは生真面目で誠実で名誉を重んじる背筋を伸びた生き方
根っこの生き方は変わっていないが、運命という名で自分を縛り付ける考え方をやめた√
そして新しい生き方をフィオネは見つけていく事にする
仕事でもなんでも、他の人がやってるからだとか、やらなければいけないと言うほどの縛りで自分を突き動かしてしまっては擦り切れる。
自由な生き方、自由な生きる意味を探す事の大切さのメッセージ性を感じとれた。
と言ったものの、矛盾が少しあるが最後にカイムの言葉で締めくくる。
自由すぎるのも現実で言うところの社会という鳥かごがあるからダメだよと。
終わりに
この記事はPart1になり続きます。
ここまで見ていただきありがとうございました!
引き続き興味を持っていただけた方は続きを読んでいただけますと幸いです。
Part2のリンク⇒「作成中」
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