2024年 今年観たドラマ・アニメの振り返り
年の瀬ですね。
今年観たドラマとアニメの記録を残しておこうと思います。
昨年はドラマ・アニメを別個の記事にしてましたが、今年は「シリーズもの」というゆるいくくりで一緒くたにまとめてみました。
選定の基準は傘籤個人が熱中したもの、心に残ったもの、強く好きだと感じたものです。
また、なるべく2024年配信の作品を選んでますが、なかには2023年の作品も含まれてます。まあ個人のまとめ記事なのでおおめに見てください。
SHOGUN 将軍
見応えのあるシーンだらけのハイパーハードボイルドな時代劇ですが、個人的に最も感動したのは日本人の「所作」と「顔」を稀に見る美しさと迫力で捉えていた点です。登場人物の振る舞いひとつひとつが作品の質を大きく高めており、眼光から表情から仕草から、放たれるオーラが画面に華やかさと壮絶さをみなぎらせていました。
死生観や"秘すれば花"の考え方を絡めた脚本も上手く、さらにそれら日本人の精神性を必要以上に理想化してはいないのも長所として見るべきでしょう。また、対するカトリックやプロテスタントの教義でさえ否定するようなことはしていません。
各々が抱える宿命と覚悟によって物語が駆動していく様には目が離せず、最終話において虎永が夢想する「景色」は画面をはみ出し私の心の中にまで広がって来るようでした。ちょっと誉めすぎでしょうか。でもそれくらいにすべてが圧倒的なドラマだったのです。
一流シェフのファミリーレストラン シーズン1~3
アメリカで最高のレストランに勤めていた主人公が兄の死をきっかけに彼が経営していた小規模なレストランを経営することとなり、一癖も二癖もある店員たちとてんやわんやしながら店を回していく、というストーリー。
いわば料理人版『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』みたいなもので主人公のカーミー含めみんなどこかしらに問題を抱えているのがこのドラマの愛しい点です。一応ジャンルはコメディになると思うのですが、彼らの悲しみと苦悩と喜びの描き方があまりにもハードなため超シリアスな場面が多く、もはや「泣くしかない」という逆転現象が起こっています。それも含めて必見。喧噪と混乱を乗り越えた後、登場人物たちが”家族”となっていくシーズン2の穏やかさは思い出すだけで心があたたかくなります。
あとタイトルは今からでもいいので英題のまま『ザ・ベアー』にしてください。安っぽくてしゃあないので。
フォールアウト
バイオレンスで悪趣味。配信してるのがアマプラというのも至極当然といったところ。でもそのどぎつさこそがこのドラマの魅力でもあって、荒廃した終末後の世界観をより際立たせています。三者三様の物語を用意することで社会構造を立体化することにも成功しており、原作ゲーム未プレイでも十分楽しめました。
とりあえずパワーアーマーが好きならマストな作品です。ごついパワーアーマーがガツンガツンとぶつかり合う西部劇が見たいなら方なら是非。
T・Pぼん
藤子・F・不二雄枠です。いやでも私が藤本先生のファンだということを抜きにしても面白いですこのアニメ。タイムパトロール(T・P)隊員として助けられる人のことを救出するというストーリーラインはシンプルでわかりやすく、歴史上に生きた有名人物や、かつて存在していた都市に行く様子は楽しく、勉強にもなります。
この作品で救えるのは「歴史に影響を与えない人」であって、その分「名も無き人々の生活&生き方」というところに焦点があたっています。それが良い。壮大な時間の流れの中で出来ることは例えT・Pであっても(T・Pだからこそ)ささやかなレベルに留まるわけで、そこに主人公であるぼんの葛藤や成長をそえているのがこの作品の健全さに繋がっていると感じました。
公共放送では流しづらい血なまぐさい場面が多いのも特徴ですが、その分時代考証はしっかりと行われており、その時代、その場所での生活様式や服装などにも不自然さは感じません。
これは私の勝手な想像ですが、製作スタッフの意識には「藤子F先生が生きていたとしたらどのような再アニメ化を希望するか」、という考え方があったのではないでしょうか。それが「ぼんの住む時代は現代にする」「大筋やキャラクターや1話ごとで起こることに対する変更は極力抑える」という作り方に繋がったのだと思います。結果的に原作の良さを失わず、いま見ても楽しい、歴史教養アニメとしての側面も持つ良質な作品に仕上がっているように感じました。
作者の作った世界と物語を、映像製作の方々がより深化させたという点で、『この世界の片隅に』にも似た、作品への敬意と愛情を感じ、見ていて幸せでした。
百年の孤独
長回しのシーンが良かったのでどうせなら60分×8話まるごとワンショットで作ってくれたら良かったのにな、なんて思いました(無茶言うな)
ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!
アクションの良さはドラマ版でも健在で、キレのある体術&ガンアクションを手を抜くことなくしっかりやってくれていて好感でした。
モラトリアムと社会的制約と殺し屋稼業と焼きそばと。どれもいっぺんに上手く片付けることは難しいけれど、隣にあなたがいるなら私はがんばれるよってそういうドラマです。あなたが笑顔だと私もうれしいよってそういう。
ちいかわ
うさぎの「フゥン」がたまらなく好きでした(もっと他に書くことあるだろ)
ジェン・ブイ
『ザ・ボーイズ』のスピンオフということもあり、予想通り、そして期待通りグロい。主人公の能力が"血を操る"ことからもわかるとおり、バイオレンスな要素盛り盛りです、この学園ヒーロードラマ。
『ザ・ボーイズ』においては非能力者たちがクソなヒーローをぶち殺すという話でしたが、こちらは「能力者たちを支配しようとする非能力者たち」というまた別のグロテスクな構造を見せることで、本編へ一石投じる内容となっていました。
要はあれです、本作で最後に出てくるキャラが言うとおりです。
「見事なクソどもだ」
カワイスギクライシス
12話かけてひたすらペットを、動物を、生き物を愛する人たちの内に秘めた想いをただただ代弁してくれるアニメ、それが本作『カワイスギクライシス』です。動物好きなら見ていて幸せになること間違いなし。
猫も犬も虎も豚もペンギンも狐もゾウも鷲もキリンも蜥蜴もパンダも熊もフクロウもカピバラも馬もインコもラッコもパンダも狐もリスもイルカも恐竜もフェレットも蛇もライオンも兎もナマケモノも狸もクラゲもバイソンも狐もハリネズミもサカバンバスピスもみんな可愛いです。みんな優勝です。ピカピカの金メダルです。
THE PENGUINーザ・ペンギンー
能力バトルとか格闘漫画で、主人公の関わらない敵同士のバトルが描かれることあるじゃないですか。本作の面白さはまさにそれです。子悪党VS落ちぶれたマフィアの娘という図式で始まり、その均衡が崩れたり壊れたり転がったりしていき、どっちに肩入れする気にもならないけれど、見ていて手に汗握りました。
いや、というか卑怯で矮小でコンプレックスの塊である弱い弱い彼(オズワルド)がせせこましく必死に生き延びようとするからこそこんなに面白いし惹かれちゃうんだろうな。
三体
原作を読んだ身からすると、なるほどこうきたか、という大胆な脚色が施されているため、1話目の時点から新鮮な気分で観れました。大史役がベネディクト・ウォンだったのはイメージ通り。
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以上、2024年に見たドラマ・アニメシリーズのまとめでした。他にも過去作として『SHERLOCK』、『ブラック・ミラー』、『HANNIBAL/ハンニバル』なんかもハマって見てました。でもなんだかんだ言って瞬間最大風速の強さで考えると白石監督の『戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ!』が一番すごかった気がします。
OMAKE
ドラマとはなんの関係も無いですが、ダイソーのプチブロックをまた作ったのでこちらに置いときます。
問題:これはなんの映画を再現してるところでしょう(答えは画像の下)
答え:『エル・スール』の父と娘が水脈をダウジングしてるところ。