#44 村上作品
村上春樹作品を今まで手にしたことはあるだろうか。私は今年の夏休み初めて手にした。今までも名前はもちろん知っていたし作品名も少しは知っていた。ただ手にしたことは無かった。理由は特になくあまり惹かれてこなかったと言うのが理由らしい理由かもしれない。
大学三年生になり迎えた今年の夏休みはバイトや長期インターンのおかげでパソコンやスマホを見る時間がとても増え、日中の殆どの時間を画面とのにらめっこに費やした。嫌でも画面を見る生活が続いているため仕事以外は何とか画面を見ないように生活したのが今年の夏休みだった。(そんな事を言いながら今こうしてpcと対峙しているわけなのだが)その意識のおかげで本を読む時間が圧倒的に増え僕の長期休み史上最も本を読んだ長期休みになったのではないかと思う。
本は新作も勿論惹かれるが万年金欠の僕には少し高いので中古本をまとめて買う事が多い。というのもみんなご存じ「ブックオフ」の本の安さはとにかくエグい。三冊買って1000円を切るという破格の値段設定である。こうして買った本の一冊が村上春樹の「スプートニクの恋人」だったというわけだ。買った理由は安かったというのももちろんあるのだが「スプートニク」という単語をどこかで耳にしたことがある気がしたから。どこで耳にしたのかはさっぱりわからないし覚えていない。ラジオなのかテレビなのか、あるいは耳にしていないかもしれない。ただ僕は大抵本を選ぶときには題名に惹かれたものを選ぶ主義なので題名に惹かれたというのが理由になるだろう。初めての村上作品がこの「スプートニクの恋人」。正しいのかどうなのか正解はわからないが僕にとっては大正解であった。
内容をこういった所に書くのは誰が見ているかわからないので辞めておくが言い回しがとても美しくてなぜが惹かれてしまう魅力的な文章、言葉選びだったと思う。普段小説は推理小説を読むことが多い僕は分かりづらい言い回しをあまり好む方じゃない。とにかくはっきりさせて欲しいタイプ。ただこの作品に限ってなのかこれ以外の村上作品はみんなこうなのかはわからないが、あいまいな表現や読者に風景を想像させる感じがとても心地よく感じた。本を読む新しい楽しみ方を一つ心得たわけだ。今までの犯人を追うだけの読み方だけではなく、筆者になりきる様な、言葉では言い難いふわふわした感覚。
僕も将来文章を書く仕事をしたいわけで、誰から影響を受けたのと言われれば「野村の訓市さんだけです!」と胸を張って言うつもりだったがそれが
この作品、「スプートニクの恋人」を読んで村上作品を読んで影響を受けざるを得ないぐらいに表現がガツンときた。
文書を書いていると今まで影響を受けた文章の書き方に嫌でも似ていくと思う。(周りに文章を書く人がいないから答え合わせは出来ないが)こんな感じで今まで()など使ったことがない。恐らく村上さんの影響で()を使うようになるのだろう。自分の表現を早く見つけたいところだがこの書く頻度では難しいのだろうな。
あと、訓市さんが村上さんにインタビューした僕のために作られたと言っても過言ではない本が現在も書店にならんでいると思うから、この長ったらしい文章を最後まで読んでくれた方は是非に買ってくださいな。
「村上T 僕の愛したTシャツたち」
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