囲碁六段挑戦記 その5(試験当日2)
12/19(土)に受験した囲碁六段の昇段試験の後半戦です。
前半2局を1勝1敗で折り返して、今回からは後半2局の模様をお伝えします。
1.後半戦開始(3局目:初手天元に遭遇)
勝てば2勝以上が確定し、六段合格が決まる一戦です。
落ち着いて、冷静に対局すれば大丈夫…自分に言い聞かせました。
握って(先手後手を決める)白(後手)を持ちました。
相手の1手目は…天元(ど真ん中)でした。初手天元!
囲碁は陣地の広さを競うゲームなので、通常は4隅の方から打ち始めるのがセオリーです。
それを度外ししての初手天元。
それだけ相手の方は研究し勝算があることは間違いありません。
10局、20局打つならまだしも、1局勝負の短期決戦での変則的な戦い方は有効です。
正直戸惑いました(落ち着きも冷静もなくなりましたね)。
少し囲碁の専門用語を出していきます。
囲碁の深い話をするとツケ二段やツケノビ定石は研究していたのですが、相手を固める可能性が高く、天元の石が働く可能性が高いと判断しました。戦闘局面に入ると、シチョウは不利になるし、連絡はしにくいし良いことはありません。
本局のポイントは、如何に天元の石を封殺するかでした。
結論から言うと、相手が私の陣地に侵入し戦いに発展しましたが、天元の石と分断に成功し、有利に戦いを進めることが出来たので守りに入りました。
2.受けと守りの違い
攻めの対義語はなんでしょう?受けor守りかで答えが分かれると思います。
囲碁の守りと受けの違いは、個人的に以下の通りと思います。
守り:圧倒的リードがあるので防御して逃げ切る場合。主導権が相手に渡ったままでも致命傷を受けなければ問題なく勝てる場面。
受け:形勢が僅差の局面で、主導権が相手にある場合。常に主導権を奪取し、カウンターを狙う場面。
局面は守りに入るほど優勢でしたが、囲碁は勝っている場面が難しいです。
負けている方は逆転のためあらゆる手を尽くしてきます。
勝ちを確信して守りに入って逆転負けしたことは何回もありますし、その逆も然りです。今年の箱根駅伝復路のアンカーの気持ちが分かります。
覚えている範囲で棋譜を掲載しますが120手前後で5ポイント程良かったです。
黒:相手の方 白:過祭
3.合格
対局の結果は、無事に逃げ切り勝利を収めました。
4局目を残して、昇段試験自体には合格することが出来ました!
少し長くなったので、4局目は別の記事にまとめます。