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西日本豪雨による被害は火災保険の適用内か?浸水被害や大雨後に起こる雨漏りについて紹介

平成30年7月の西日本豪雨では悲惨なほどの水害に襲われた家庭も多く、避難生活も余儀なくされていたケースもありました。

生活を再建するのに苦労していて、自宅の修繕をしたい人もいるでしょう。豪雨による浸水や雨漏りなどの修繕には火災保険を適用することができるのでしょうか。詳しい条件を理解して、適用可能かどうかを判断できるようになりましょう。

西日本豪雨の被害は広範囲で深刻

西日本豪雨では近畿地方から中国地方、四国北部や北九州に至るまで非常に広範囲で水害が発生しました。土砂崩れなどの災害も併発した影響で家屋を失ってしまった家庭も多く、再建にかなりの時間を要していました。

火災保険の適用例も多くなっていて、23000件以上の火災保険の申請が行われています。被害が大きかった広島県や岡山県では5000件以上の申請があり、金額も広島県で110億円程度、岡山県で240億円程度です。

これは2018年7月23日の時点での状況なのでもっと被害は多い可能性も十分にあります。

被害の種類は水災

水災

西日本豪雨のような豪雨による災害は、水災として認められています。火災保険では台風や豪雨、それに伴う土砂崩れなどの災害を水災で補償しているので、規模の大小によらずに損害を受けたときには水災として取り扱ってもらうことになります。

ただ、水災による被害として認定してもらうためには条件があるので注意が必要です。

まず、建物や家財の再調達価額の30%以上の損害を受けた場合に適用できます。たとえば土石流がぶつかってきた建物の中に土砂が入り込んでしまったときには、被害が再調達価額の30%以上になっていれば補償を受けて修繕を行えます。しかし、30%未満のときには浸水に関する条件を満たしていないので保険金は得られません。

これに該当しない場合には床上浸水が起こったか、床下浸水でも地盤面から45cmを超えて浸水したかが確認されないと水災にはなりません。洪水になって地盤面から40cmまで浸水したけれど床上には到達しなかったときには、やはり被害が再調達価額の30%に到達するかどうかで火災保険の支払いを受けられるかが変わります。

水災補償がなくても適用できる例

豪雨による損害は水災によるものと判断される場合が多いので、火災保険の水災補償を外してしまっていると補償を受けられないことがほとんどです。

ただ、状況によっては水災ではないと判断される場合もあります。その場合にはどのような災害によるものと考えられるかによって火災保険を適用できるかが異なるので注意しましょう。

例えば、雨漏りは水災による補償の対象外というのが一般的な解釈です。屋根などが老朽化していて雨漏りが起こったとしたら、水災が原因で雨漏りをしたのではないからです。

雨が直接の原因で屋根にひびが入るようなことも考えにくいので、対象から外されてしまいます。しかし、風が強かった場合には風災として認められて補償対象になる場合があります。風で屋根瓦が動いたり、屋根板がずれたりして雨漏りをするようになったなら風災による損害です。台風のように強風も伴う豪雨のときには風災被害として火災保険を適用できるでしょう。

このように、豪雨とは直接関係がない現象によって被害を受けたときには火災保険を使える可能性があるので、損害の内容は丁寧に確認するのが大切です。

参考:こんなこともいけるの?という作業の例

建物と家財の違いにも注意

浸水

浸水被害のときには特に建物と家財の取り扱いにも注意が必要です。

火災保険は建物のみ、家財のみ、両方という三種類のかけ方があります。浸水被害を想定すると、一般的には床上浸水が起こらないと水災による被害として認められません。

家財については家の中にあるものなので床上浸水をすれば必然的に被害を受け、床下浸水で止まった場合には故障することはあまりないでしょう。しかし、建物については床下浸水でも甚大な損害になる場合がよくあります。安易に床上か床下かで判断せずに、修繕したらいくらになるかを業者に見積もってもらうのが大切です。

再調達価額の30%以上という基準は1つの修理にかかる費用ではなく、原因になった災害によって生じた故障や破損、不具合などの修繕に必要な総額で達成すれば問題ありません。

床下浸水でも床に触れるくらいの高さになっていれば、床材まで傷んでしまうことはよくあります。外壁と基礎のつなぎ目の部分が劣化することも多いので注意が必要です。

エコキュートやエアコンの室外機なども建物の一部なので、浸水によって故障していたら対象になります。このような細部まで見ていくと想定していた以上に修繕費がかかることが多いので、全体をよく確認して見積もりを取ってみましょう。

まとめ

豪雨による被害は水災補償があれば火災保険を適用して修繕を行える可能性があります。

ただ、浸水に関して厳しい条件があり、床上浸水か地盤面から45cmを超える浸水でない場合には損害金額が大きくないと補償を受けられないので注意しましょう。

床下浸水だったときにも、細々としたところまで見ていくとかなり金額が大きくなることはよくあるので、隅々まで確認をして業者から修繕費の見積もりを取ってみるのが大切です。

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