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インドにおける農業と地球温暖化(CFACTの記事)

写真出展:David MarkによるPixabayからの画像https://pixabay.com/ja/users/12019-12019/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=2220475

 2022年12月2日にCFACTは、インドにおける農業の成功と地球温暖化との関係についての記事を発表した。内容は、温暖化と二酸化炭素濃度の増加と科学による気候変動適応により、インドが農業で成功していることを示すものである。
 日本の貧しい言論空間では地球温暖化で世界的に農業が危機に陥っているという定性的な情報ばかりが蔓延しているが、重要なことは温暖化の変化にどのように対応するのかであるのかが良く分かる記事である。地球温暖化の悪質なプロパガンダに騙されないようにするため、参考として本記事の概要を紹介させていただく。

↓リンク先(Farmers and consumers relish agricultural success in India)
https://www.cfact.org/2022/12/02/farmers-and-consumers-relish-agricultural-success-in-india/

1.本記事の内容について
 ・1日の収入が2ドル以下の人々は最貧困層と呼ばれており、インドでは3億人がこの層に属し、その他数億人は安定的に光熱水を利用することができない。ただこの状況は、1970年代のノーマン・ボーローグによる「緑の革命」という農業技術の発展がなければ、更に悲惨になっていただろう。
 ・現在のインドは農業大国であり、多くの作物の生産量で世界一位となっている。2020年4月以降、パンデミックのロックダウン時には、のべ8億人に米と小麦を無償配給することができている。現在でも440億ドル規模の無償穀物配給事業を継続しており、世界最大の事業となっている。これはヨーロッパの全人口が、毎月5kgの穀物配給を2年間受給し続けているのと同じ規模である。
 ・地球温暖化に伴い農業生産が危機に陥っているという情報が世間を賑わせているが、インドはどのようにして巨大な農業生産量を維持しているのか。インドにおいては干ばつや洪水は毎年発生するものであり、気候システムの一部であって、特筆するべきものではない。むしろ現在の気温が農業生産に最適化され、二酸化炭素濃度の増加により植物の光合成の効率が高まり、農業生産量が増加しているのである。
 ・インドの農家の86.2%は小規模農家であり、ココナッツや特定の野菜に依存していたが、過去30年間で所得は大幅に増加し、その他の作物の生産も推進できるようになった。主な要因は農業技術の採用による環境への適応であり、点滴灌漑による農業用水利用の効率化(40から60%)、実証実験、肥料、作物の多様化などへの補助金が結果につながったのである。
 ・過去5年間においても、農業生産性は向上し、毎年生産高を更新している。ただ唯一取り組んでいないことは、遺伝子組み換え作物である。伝統的な農業国であるバングラディシュも遺伝子組み換え作物で成功しており、このまま規制緩和されなければ科学技術の進歩を取り込むことができなくなるだろう。ただ全世界の17%の人口を擁するインドは、地球温暖化の恩恵を受けて農業生産量を増産し続けており、そこに気候変動危機は存在しないのである。
 
2.本記事読後の感想
  地球温暖化に関しては、常に定性的な悪い情報ばかりが拡散されがちだが、実際には良い側面と悪い側面があるということに注意が必要である。今回の農業は良い例であり、多くの地域で収穫高が増加し、作物の種類も多様化していることも考慮に入れておくべきである。もっとも温暖化単体でこのような状況になったわけではなく、科学技術による改善が大きいのである。温暖化に絶望するのではなく、その利点に目を向けていくことで、国益を最大化していくことも可能であろう。
  ただ温暖化の全てが良いものであると主張するつもりはない。確かにこれまでにない変化に伴う経済的な損失や、生態系の変化に伴う疫病の蔓延などといった負の側面も見ていく必要がある。ただ温暖化に伴う変化は科学により十分適応可能なものばかりであり、寒冷化よりもはるかにましであろう。重要なことは変化に適応することであり、変化を許容しないことではないのである。

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