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益田大会出場記 #2~いざ、島根~

皆さまこんにちは。
ご覧いただきありがとうございます。
かるたびと と申します。
関東在住の大学3年生で、大学では競技かるたを嗜んでいます。大会に出場すべく、あるいはただの電車好きが高じて、日本全国様々に旅に出ています。

今回は【益田大会出場記 #2】、8月上旬に島根・益田市で行われた大会の出場記の第2弾。2日目、岡山から山陽地方を通り、島根に至るまでのお話を。


前回【益田大会出場記 #1】はこちらから。1日目の京都から岡山までです。



心残りの無いように

乗れるものには乗っておく

改めて、おはようございます。

前回の終わりは、2日目の朝を岡山の宿で迎えたところでした。
そのまま出発でもいいですが、せっかく路面電車が近くにあるわけですし、昨日は宿の最寄駅(田町)までしか乗っていませんから、ね。
朝も早く起きられましたし、ここはひとつ、岡山駅とは反対方向の清輝橋方面に向かってみるとしましょう。

2023/8/5(土)
岡山電気軌道清輝橋線 普通 清輝橋行き
6:50 田町→清輝橋 6:59

ん?何やら新しそうな車両がお目見え。
内装もモダンでなんだか良いですね~

昨日は結局3回も岡電に乗車したわけですが、4回目にして初めて何やら新しめな車両に遭遇です。こんなものが走っているとはつゆ知らず、早起きパワーで何文かくらいは得をしましたな。

約10分で到着。
よく見ると、中央分離帯部分に駅がありますね

というわけで、定刻通りに終点・清輝橋に到着。交差点のすぐ近くに停留場があるのですが、その交差点がとにかくデカいのです。地図で見てみると…

五角形の歩道橋、六差路、七か所ある降り口。

中央分離帯の部分に降り立つわけですから、車が多くない時間帯とはいっても交差点そのものがかなりの迫力です。なかなか良いものを見ることができましたね。
などとやっているうちに、先ほどの電車の折り返しは出発。近くのコンビニで朝食を調達し、その次の電車で岡山駅に戻ることにします。

5回目の乗車、やはり古い方が来ました。
頭にいるのは…誰だお前?

岡山電気軌道清輝橋線 普通 岡山駅前行き
7:14 清輝橋→岡山駅前 7:30

2日間かけて全区間に乗車した岡電も、これが最後です。ちょっとした興味本位でいろいろ行ってみましたが、夜も朝もなかなか楽しめたのではないでしょうかねえ。
東山にあったおかでんミュージアムとやらも気になるところですが、これ以上は時間がありません。またいつか来れたら。

新しい方とは違って全部がロングシート。
路面電車なので、降りる人が降車ボタンを押すと…
快心の「チーン(爆音)」と共に、緑色のサインが光る。

というわけで、予定通りに岡山駅まで帰ってきました。しばらく路面電車の停留場しか見ていなかったので、とてつもなく大きな駅に見えますが。。
時間に多少の余裕があるので、駅周りを歩いたり、駅ビルに行ってみたりして時間を潰しつつ、間もなく2日目の(本当の?)始まりです。

再び、西へ

そりゃ桃太郎の1人くらいおりますわな、岡山だもの
お、またこれでもかというほど黄色い車両ですね

山陽本線 普通 福山行き
7:57 岡山→福山 8:56
途中下車⑤ 福山

さて、いよいよ例の片道乗車券にて旅を再開です。
実はこの日、ここから先は結構タイトに予定を組んでおり、乗り遅れると予定外の新幹線乗車が確定する場面が非常に多いのです。。
出費も痛いので絶対に避けたいところ、などという緊張感とは裏腹に、車内ではしっかりと就寝。倉敷までは辛うじて耐えていたのですがねえ。
ということで、あっという間の福山駅到着です。

新しめの外装をしている。乗り継ぐ電車も映り込んでいた
五浦釣人(いづらちょうじん)さん。釣り竿を持っている。
魚は1匹も持っていないし、この辺は釣れないのだろう(適当)

就寝中に県境を超え、広島県へ突入です。
福山は広島県東部に位置する中規模都市。今回はこの先、「名前は聞いたことあるなあ」くらいの都市(失礼)がたくさん出てきますよ。

Red Wing。広島で赤い電車に乗るのは、
阪神ファン的にはあまりいけ好かない。

山陽本線 普通 三原行き
9:06 福山→三原 9:39
途中下車⑥ 三原

乗り継ぎ良く、到着10分で再出発です。この赤い車両、実は福山駅の写真の高架部分手前に映り込んでいました。そのままストレートに乗り継ぎ、そのまま三原まで乗車します。

こちらも大きい駅、中規模都市の拠点です

三原でも途中下車をしてみましたが、駅のサイズ感は福山と似た感じでしたね。
両駅の機能面を比べてみると、双方とも山陽新幹線・山陽本線ともう1路線(福山:福塩線、三原:呉線)が走っていますが、
山陽新幹線ののぞみ号まで停車する福山、対してほとんどこだま号しか停車しない三原…と考えると、前者の方がターミナル駅としては優秀そうです。

呉線と山陽本線、さすがに一目でわかるダイヤの違い。

ところで、山陽本線の時刻表の左側「尾道・福山方面」の行先表示をよく見ると、それこそ尾道や福山とは対照的に、ほぼ聞いたことの無い「糸崎」という駅名が目立ちます。この糸崎、実は三原から福山方面(私が通ってきた方)の、たった一つ隣の駅なのです。

糸崎には大きな車両基地があり、非常に多くの電車の始発や終点として機能しています。その分、尾道・福山↔三原間の移動となったときには、糸崎で一度乗り換えなければならず…ということもあるようですが。

"最後の"寄り道

さて、三原から再び西に向かって乗り込んでいくことになりますが、今回の旅でようやく乗るチャンスを得た、ずっと気になっていた乗り物が道中にありますので、まずはそこに行ってからその先を考えるとしましょう。

山陽本線 普通 岩国行き
9:58 三原→瀬野 10:53
途中下車⑦ 瀬野

ということで、広島の手前にある瀬野で途中下車。
瀬野と、その三原側の隣駅である八本松との間の区間は古くから「セノハチ」と呼ばれ、日本の鉄道でも随一の急勾配が有名です。

八本松との間は確かに長かった
瀬野駅を出ると、同階ですぐ何かが見えてきた

見えてきたこの駅は「みどり口」駅。スカイレールサービスなる乗り物(と言う言い方をしていますが、立派な公共交通機関です)に乗るべく、瀬野にて途中下車をしました。

駅から何やらゴンドラやロープウェイらしきレールが伸びているのが分かると思いますが、スカイレールはいわば「懸垂式モノレール+ロープウェイ」のような乗り物。ロープウェイを基軸としつつ、レールなどに工夫を施すことで急斜面に強い構造になっています。

瀬野駅の北側にある丘陵地は宅地開発が成され、そこそこ大きな住宅街が広がっています。急な坂道の人々の輸送に、このスカイレールが一役買っているというわけです。
終点のみどり中央まではたった5分、途中駅も1駅だけ。

途中下車をして乗りに来た理由について、
実は、このスカイレールは2024年春をもって廃止が決定しているのです。独自の輸送システムであるため、整備時の部品調達が難しいとか。
住宅地への輸送はバスやタクシーが代替とのこと。
再び広島に来るか怪しいというところですから、今のうちに乗っておこうというわけです。

スカイレールサービス みどり中央行き
11:00 みどり口→みどり中央 11:05

見た目は完全に、住宅街を走るゴンドラ
駅名部の上に乗り場が。さながらロープウェイである
住宅地のエリアマップ、確かに広い

さてさて、のんびりする時間は全然ありません。帰りの乗車券を改札に突っ込み、ササっと瀬野駅方面へ戻ります。

スカイレールサービス みどり口行き
11:15 みどり中央→みどり口 11:20

みどり中央からの景色。出発後すぐに坂を下り始める
下りの景色はなかなか強烈
30分ぶりに、ただいま。

あっという間の下山(山でもないか)でございました。
もちろんダイヤはしっかり考えられており、JRとの乗り継ぎも抜群!
寄り道はここまでにして、再び西へ向かいましょう。

瀬戸内海沿いをひた走る

ひとまず腹ごしらえ

山陽本線 普通 岩国行き
11:23 瀬野→広島 11:43
途中下車⑧ 広島

3分でJRに乗り継ぎ、乗車券の利用も再開。中国地方最大のターミナル駅、広島に到着です。
次の電車まではちょうど1時間空くのですが、これを逃すと新幹線が確定してしまいます(時間に追われすぎ)。
この日の広島は原爆の日の前日、さらに土曜日。駅周りでお好み焼きでも…と思っていましたが、混まないわけがありません。
乗り逃すことを考えるとそこに並ぶ勇気は出ず…比較的空いていた担々麺のお店に入ることにしました。

「くにまつ+武蔵坊」の汁なし担々麺。
もう少し辛くしてもよかったかな。美味

逆に時間が余ってしまったので、広島駅を探索することに。
広島に乗り入れる路線は、実は山陽新幹線・山陽本線と芸備線(紫)だけ。ですが、近隣の駅から分岐する可部線(青)や呉線(黄)方面の電車も発着します。

路線図はこんな感じ。各路線に色分けがされており…
各電車が発着するホームの駅名標もカラフル。
山陽本線(赤)のホームは工事中でした

いろんなホームを行き来していたら(変態)時間が過ぎ、次の電車が到着。再び山陽本線に乗り込んで、まだまだ西に向かいます。

赤い電車ばっかり来る

山陽本線 普通 岩国行き
12:45 広島→岩国 13:34
途中下車⑨ 岩国

広島を去り山口へ

電車は廿日市など広島西部の都市を通り過ぎ、終点の岩国に到着。島根県に行くというのに、山口県上陸です。定期的に書かないとどこに向かっているのか忘れてしまいそうですが、目的地は島根県・益田です。

まだ赤い。次の電車が映り込んでいますね
山口随一の観光スポットもこの辺りに。

降りて散策…の時間もなく、次の電車に乗り換え。
岩国には山陽本線の他に岩徳線という路線が乗り入れており、路線名にもあるように岩国-徳山を結んでいます。
山陽本線でも徳山に向かうことができますが、山陽本線は瀬戸内海の海岸沿いを走り、岩徳線はより内陸を走っていくルートを取ります。
徳山までの所要時間は山陽本線の方が10分~15分ほど短いことが多く、徳山から先にも直通していきます。

ということで、最後の山陽本線に乗車。先ほど映り込んでいた黄色いやつに揺られます。

車両には全く詳しくないが…古そう。

山陽本線 普通 下関行き
13:44 岩国→新山口 15:43
途中下車⑩ 新山口

岩国始発の下関行き、地理にある程度詳しい方はお分かりかと思いますが、山口を東端から西端まで結ぶロングランです。今回の目的地は島根ですから(何度もすみません)途中で下車しますが、下関に到着するのは定刻17:20。なんと180km超え、3時間半以上の長旅になります。。

しかもこの区間、日中は1時間に1本しか電車がありません。広島で乗り遅れるとココで1時間足止めを喰らい、この後の予定が狂ってしまうというわけです。

岩国を出発すると、電車はすぐ瀬戸内海沿いに出ます。海を見ながらのんびり鈍行で進んでいくのは、都会の人間にとってはいつでも良いものです。

とは言いつつ、これほど霞むくらい窓が汚かったのですが。

景色を(楽しめる範囲で)楽しんだり、少しウトウトしたりするうちに2時間経過。山口県最大のターミナル駅の1つ、新山口に到着です。

新山口は山陽新幹線がのぞみまで停車する他、山陽本線の他に山口線・宇部線の起点駅となっています。
ざっくり説明すれば、東西に貫く山陽本線、北に向かう山口線、南に向かう宇部線…といったところでしょうか。つまり、次に乗るのは…?

駅もキレイ。

山口線と宇部線の時刻表を発見したので、画角に収めました。山陽本線が1時間に1本単位であることを考えれば、どちらもある程度の本数はあるようです。そして、山口線の行先をよく見ると…

ところどころに、本日の目的地「益田」の文字が!
益田は山口線の終点駅であり、山陰本線との接続駅でもあります。ようやくこの日の、そしてこの旅全体の目的地が見えてきました。
しかしながら、時刻表から分かる通りで多くの電車は山口行き。当然島根県までは行ってくれません。

山口線は、起点駅(新山口)側の新山口-山口と、終点駅(益田)側の津和野-益田とで大きく列車の本数が変わるのです。ご覧の通り前者は1時間に2本ほど用意されている一方、後者は3時間以上の間隔がひらくことも!

とはいえ、今回の私は普通列車には乗らずに特急に乗車。のんびり楽しむのはまたの機会にしましょう。

別駅?の駅名標。りほごお。

乗り換え時間が30分近くあるので再び駅を散策。するとすぐに、「小郡」駅の看板を発見です。

実は新山口、2003年まではこの「小郡」という駅名で利用されていました。というのも、現在こそ市町村合併により山口市に位置するものの、この駅は旧「小郡町」の中心駅だった過去があります。いわゆる平成の大合併により、2005年に小郡町は山口市と合併して廃止されました。
それ以前にも駅の改名運動は起こったものの、小郡町民の反対によって実現しなかったとか。
右方向からの仮名書きと共に、そんな歴史を感じさせる駅名標でした。

ついに見えてきた、山陰地方

そんなこんなで駅の探索をしていると、乗車する特急が入線。1両しかない自由席に乗車するので、急いで座席確保に向かいます。

山口線ホームの駅名標。
旧国名の「すおう」、漢字分かりますか?
特急、2両。前の車両が自由席

山口線 特急スーパーおき6号 米子行き
16:21 新山口→益田 17:57
途中下車⑪ 益田

なんとか窓側の座席確保に成功です。
明日開かれる大会に合わせて、益田に(まっすぐ)陸路で向かう多くの選手は新山口まで新幹線に乗車し、この特急に乗り継いで益田に向かいます。
なんといっても、3本しかない特急の最終がこの時間に来るわけですから。予想通りで、同じ特急で何人か知り合いを目撃しておりました。

自由席特急券。
途中下車の印も増えてきた

特急は周防地方を快走し、途中の津和野からついに、ついに島根県に突入。そこから更に30分ほど走り、ようやく目的地に辿り着きました。
東京を出てから1日半、益田に到着です!

ようやく。お世話になります。
ム、この像は…?

益田駅構内に置かれていた像のモチーフとなっているのは「柿本人麿」。小倉百人一首に納められた

あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む

の歌を詠んだことで知られています。詳しい出自については不明なところの多い人麿ですが、石見国(現在の島根県西部)での辞世歌が遺されているなどの理由で、この石見国で亡くなったという見方がされることが多いとか。
翌日の大会の正式名称にも「人麿の里」という名前が付けられています。

いち早く改札から構外へ。
このあとかるた選手がゾロゾロ。

到着後は、この辺りが地元の先輩のご実家にお邪魔させていただき、大会の前日・当日と2泊させていただきました。
温かくておいしいご飯を頂き、本当にありがとうございました!!
いざ大会本番は、大したことない戦績で終わってしまいましたが…先輩や同期・後輩と超楽しい時間を過ごせたのでヨシ、としましょう。


というわけで、今回の記事はここまでとさせていただきます。
3日目の大会を終え、益田で迎える4日目の朝。乗車券こそ1枚ですが、ここからは打って変わって山陰を満喫する旅の始まりです。ご興味を持っていただけた方はぜひフォロー等していただけると嬉しいです!
同趣味の方は、こちらからもぜひ記事拝見させていただければと思います。

それでは、ご覧いただきありがとうございました。
またお次の機会に。

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