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噛めば噛むほど味が出る人

噛むと言えば歯。歯は人間の最も固い部分である。明日はそんなことを頭の片隅に泣く泣く歯医者に行かなければならない。本当に億劫だ。
その後に行く友人(=彼)との食事を楽しみにするしか虫歯の恐怖から逃れる道は残っていない。

1週間に一度の頻度で会っている彼は度々名言を生み出す、実に人間らしい人である。
彼から言われた一言が自分の中で残り続けている。
「俺らって噛めば噛むほど味が出る人かもね。」

2人とも交友関係はどちらかと言うと、狭く深く。来るもの拒まず、去る者追わず。
でも来たもの全員に心は開かない。
関わりが濃くならないと、関係性も縮まらない。
でも一度深まれば、長期的になることが多い。

それをタイトル通り、このように彼は表現するのである。

でも、この人となりには最大の欠点がある。
それは嚙んでくれないと、味が出ない。そして、仮に噛んでくれてももう一度噛んでくれるとは限らないことだ。
自分にあうあわないは感覚に頼ることが多い。だから大体嚙む前に判断される。噛む前のにおい、形、見た目然り、その人の雰囲気、見た目、ルックス。
つまりは味が初見で判断できないことである。

だからこそ噛んでくれた人は大切にする。そしてその味に失望させることをしない。それと逆の立場に立った時、噛めば噛むほど味が出ることもあると思って、簡単に判断しない。
一番大事なことは他人の噛む噛まないに干渉しない。勝手にさせておく。

噛めば噛むほど味が出る、そんなスルメみたいな人に私はなりたい。

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