何かが動いてる!(初心者の映画制作講座)
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いよいよ撮影準備が整い、さあ今にもスタート!と言おうとしたその瞬間に、お手伝いに来ていたB君が言いました。
「何かが動いてる!」と。
正直、イラ、とした僕は、若干不機嫌そうに言いました。
「何が」
B君はカメラの前の役者の、さらにその向こうを指差しました。
我々は歩道橋の上で撮影していて、B君の指差すそこは、歩道橋の壁。
プラスチックが貼付けられています。
なんで撮影中断しなきゃいけないんだ・・・
イライラしながら僕は、そのプラスチックをじっと見つめました。
すると、
そこには僕の姿が、いや、我々撮影隊全員の姿が、ぼんやりと映っているではありませんか!
そう、プラスチックの壁に、完全に映り込んでいたのです。
B君のお手柄です。
こりゃいかん、と我々はあわててカメラの位置を変えて、映り込みを回避して撮影を再開しました。
これ、結構よくあるんですね。
撮影中に、構図内にスタッフが映り込んでしまう。
カメラの片隅に荷物などが入ってしまう「見切れ」ではなく、ショーウインドウや窓ガラスなどに、姿が映ってしまうこと。
外だけでなく、室内も危険です。
テレビ画面、窓、戸棚ガラス、PCモニターなど、実はいくらでも危険が潜んでいます。
そして、これがまた気付きにくい。
監督は役者と全体構図に、カメラマンはモニタに、音声さんは役者とモニタに、記録はものに、制作は通行人に・・・
それぞれが自分の持ち場をじっと見つめた状態だからです。
だから映り込みは、あまりメインじゃないスタッフが見つけたりするのです。
なので、誰かスタッフの一人に言っておくといいですね。
何を見ておけばいいのか、具体的に指示を出しておくと効果的です。
「他に何か動いたらどんどん撮影止めていいからね。」
僕はB君に言いました。
もちろん、機嫌良く、ね。
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