あなたは「いつ」撮影するの?(初心者の映画制作講座)
みなさん、自分で映画を作りたいとき、
その映画をいつ作りますか?
いつ撮影しますか?
・・・何言ってんだ?と思うでしょうか。
「シナリオができたら。」
「人が集まったら。」
「機材が揃ったら。」
いろいろ意見があるでしょう。
僕の感覚ですが、次のように分かれる気がします。
◎作ったことが無い人は、準備が完了したら撮影
◎作っている人は、撮影日を決めて逆算して準備
『撮影の時期がいつか』
これは実は、とっても大事なんですね。
シナリオのセリフにもかかわってくるでしょう。
季節を表す表現に影響しますね。
役者の着ている衣装の選定にもかかわってきます。
カメラマンは、その(設定の)季節がいつなのか、ものすごく気にします。
街を行き来する人の衣装も映像に影響しますしね。
脚本の設定だけではありません。
日本には四季があります。
みんなの予定もあります。
皆の休みの取れるGWだったり、
雨を避けて7月後半だったり、
紅葉を撮るために10月だったり、
人の少ない2月だったり・・・
こういったことを考えながら、
希望しているロケ地が一番理想的な状態を考えて、
撮影時期を決める必要があるんですね。
で、そこに間に合うように、あらゆることを準備していく。
おそらく、経験のある他の監督さんや団体も、
みんなこんな風に考えていると思います。
以前作った『missing』というカルフの作品では、ひと組の男女の付き合いの長さを表現するため、撮影の1年前から準備に入りました。
もちろん、シナリオは出来上がっていません。
何をしたかというと、撮影用のカメラを先に用意し、そのカメラで、同じ場所の景色の映像ばかり撮り続けていたのです。
桜の季節、青々とした木々、コントラストの強い夏の日差し、カラフルな紅葉、葉が散った木の枝・・・
『missing』には、編集の時、1年間撮りためた景色の映像をたっぷり使いました。
30分という短い作品の中に、ゆったりとした時間の流れを溶け込ませることができたかなあ、と思います。
そんなこと言ったって、シナリオが出来上がらなかったらどうするの?
という意見もあるでしょう。
でもね、
全教科マスターしてから受験する、という生徒はいないでしょう。
業界のことを熟知していたら就職面接に間に合いません。
本当に好きなのか熟考を続けていたら恋愛できません。
完全なマーケティングをしていたら新規事業は時代遅れになるでしょう。
立派な人物になってから、だと親孝行できませんね。
世の中って、すべてそんなものだと思いませんか?
ベストかなと当たりを付けて、そこを目指して動きましょう。
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