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絵コンテの意外な活用法(初心者の映画制作講座)

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今、カルフの新作映画の絵コンテを描いています。

僕は絵コンテはしっかり描き込みます。
役者やカメラマンへの指示や打ち合わせに役立つからです。

しかし今回、絵コンテを描きながら、
絵コンテのもう一つの効能について思い当たりました。


撮影のための絵コンテの前に、
シナリオのチェックのための絵コンテ活用術もあるのです。


あなたが、自分でシナリオを書かれる監督さんとしますね。

シナリオが一応出来上がって、さあてこれからいろいろと準備に入ろう、と考えます。

例えばこんなシナリオがあるとします。

■修平の部屋/夜
 修平が机に座ってパソコンのキーボードを叩いている。
 母親がドアをノックする。
修平「はーい」
 母親、ドアを開ける。
母親「ご飯よ」


ここで、絵コンテが役立ちます。

いえ、必ずしも絵を描かなくてもいいんです。

シナリオのそれぞれ(台詞、動き)を、一つ一つ映像に置き換えながらメモしていく。

修平はどんな格好で座っているか。

机は部屋のどっちを向いているか。

母親から修平は背中が見えるのか、横顔が見えるのか。

ドアと机の距離はどのくらいか。

・・・

すると、いろんなことか見えてきます。

●修平は見せたくないメールを打っているので、隠すような格好になるなあ。

●ドアから離れてるから、母親役の人は結構強くノックしないといけないなあ。

●母親との距離を考えると、マイクが遠いなあ。

などなど。

絵コンテは、きれいに描くことが目的ではありません。

ただ、個人的に、下手でもいいから絵にしてほしいなと思っています。

なぜなら映画作りとは、文字であるシナリオを目に見える映像にする作業だからです。

文字を読んで頭に想い描くだけでなく、目で見えるカタチで説明できるようにしたい。

文字を読んで想い描く内容と、絵を描いて想い描く内容が違う。

これが、今回、伝えたいことです。


さて、僕の絵コンテの話に戻しましょう。

絵コンテを描きながら、シナリオを書いている時には気付かなかった、こんなことに気付きました。

●人間は、こんな動きをしながらじゃ、とても会話なんてできないなあ。
●そうか、相手とこんなに離れてると長い会話は不自然だな。
●歩きながらの会話で、こんなに長いセリフだと、ずいぶんと歩き続けないといけない。
●これだけの会話量だと、この空間では間が持たない。
●この背景に人が誰もいないと不自然だ!4、5人のエキストラが必要だなあ。

こうやってストーリーの進み方やセリフの中身だけでなく、動きとセリフをチェックできるのです。


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