"自分が撮れる"シナリオを書くということ(初心者の映画制作講座)
シナリオの書き方、という話になると、
どうやって面白いストーリーを書くか
シナリオのフォーマット、ルールはどうか
という2点にばかり話が集中します。
もし、シナリオコンテストへの
応募だけが目的ならそれでいい。
ただ、
僕がいつも接しているのは、
「自分で映画を作りたい人たち」。
そんなみなさんに強くお伝えしたいのは、
自分で撮れるかどうか考える
というポイントです。
* * * *
僕は昔から、
「この映画を撮りたいんです」
という分厚いシナリオをよく手渡されてきました。
「どう、面白いでしょう?」と聞かれます。
実際、それなりに面白いものも見かけます。
決して、相手の才能については否定しません。
でも、
その1ページ目で、どうしても顔が曇ってしまう。
ちゃんとルールに則ったシナリオなら、
そこには主な登場人物リストが載っています。
その数が多い・・。
書かれてるのは<主な>登場人物、です。
つまり、実際の撮影では、もっともっとたくさん必要なんです。
エキストラを含めてね。
シナリオが面白いかどうか、ではなく、その人が撮れるかどうか。
僕はこの視点で、シナリオを読みます。
* * * *
登場人物だけではありません。
シナリオを読み進めると、ロケ地の場所も気になります。
ロケ地の数が多いと、
役者・スタッフの拘束期間がどんどん延びていきます。
拘束期間が延びると、
この国は季節の移り変わりが激しいので、
あっという間に景色だって変わっちゃうんです。
この辺りを指摘すると、
必ず返ってくる言葉が、
「大丈夫です。やる気は誰にも負けません!」
僕は相手のやる気は、みじんも疑っていません。
映画を作りたいと考える人、
シナリオを書き上げちゃう人、
そんな人が、やる気がないわけがない。
すごいエネルギーも実際感じます。
問題はですね、
・・・付いてきてくれる人がいるかどうか、なんです。
登場人物が多いと、役者がたくさん必要です。
シナリオが長いと、スタッフがたくさん必要です。
ロケ地の数が多いと、撮影日数が長くなります。
つまり、
★大勢の仲間を・長期間・確保できるか。
個人でシナリオを映画化する時に
大事なポイントになるのがここなんです。
社会人なら、週末を使うことになるでしょう。
現代の忙しい社会人の週末を、
例えば役者・スタッフで15から20人くらい、
数ヶ月にわたって確保できるか。
・・・かなりの無理ゲーだと思うんです。
* * * *
次に、こんな声もあります。
「お金をなんとかして集めます!」
お金で解決する=プロを使う
ということになるわけですが、
これもあまり現実的ではありません。
理由は2つあります。
それだけの数のプロはとんでもない金額になる
プロは初心者のシナリオは我慢できない
・・・まあ、無理だ無理だという話はここまでにしましょう。
では、どうしたらいいのか。
「自分で撮れる」シナリオを書くことです。
シナリオを書いてから、
「どうしようか」ではなく、
最初から、自分で撮れるシナリオを書く。
こうすれば、映画にできる確率が格段に上がります。
僕はいつも書いてますが、
多くの方が映画を作るのが難しい理由は、
その人の才能の問題ではなく、
単に「シナリオが撮りづらいから」。
* * * *
自分で撮れるシナリオを書く、
というのはどういうことか。
これをお伝えしたくて、
初心者向けの映画制作体験ワークショップを開催してきました。
もう20年続けてます。
次回開催は、今年(2024年)の5月。
第27回映画制作体験ワークショップ(東京開催)
5月11日(土)/12日(日)
このワークショップでは、2日間で映画を完成させます。
「ほんとに2日間で作れるの?」という疑問については、
「4時間で撮り切れるシナリオを用意している」
と回答します。
ここまで読まれた方には理解いただけるのではないでしょうか。
・参加した人数、
・用意した役者の数、
・サポートするスタッフの数、
このメンバーを踏まえて課題を用意しています。
課題は毎回変えています。
(じゃないと、僕らスタッフもつまらない!)
この長さ、設定のシナリオで
この人数で
この機材で
これらの場所で
このくらいの時間で撮り切れるんだ。
そういう体験をしていただきたい。
さらにここに、
この長さの撮影はこれだけの苦労なんだ
自分の疲れ具合はこんな感じなんだ
こんな撮影で、みんなの雰囲気はこうなるんだ
というものを感じることができます。
そのうえで、
参加者全員で協力して、
1本のシナリオを丸ごと撮り終えていただく。
全員、順番に演出もしていただく。
全員、いろんな機材を順番に触っていただく。
それにより、
自分の言葉で演技を伝える
役者への指示の出し方、スタッフへの指示の出し方
こういったもどかしさも感じられる。
もちろん、そのフォローのために僕らスタッフが隣にいます。
聞いてもらえればすぐにサポートできます。
ただ基本的に、あれこれ口うるさくは言わないようにしています。
だって、安全な場所での失敗経験ほど貴重なものはありませんから!
↓↓
▼募集中です!
第27回映画制作体験ワークショップ(東京開催)
5月11日(土)/12日(日)
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僕の30年近い映像制作経験と、20年の初心者指導経験がギュッと詰まってます。
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