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麻婆豆腐の作り方 〜本格的で家庭的〜

所要時間:20分-30分程度 ※別途、炸醤は作っておく必要がある

麻婆豆腐は、とても奥の深い料理だ。炒め料理に必要とされるテクニックが多く含まれていて、食材のポテンシャルを極限まで引き出す炒め方が求められる。

このレシピは、陳建一氏のレシピと、銀座アスターのレシピを参考にアレンジしたものだ。

朝天唐辛子、豆板醤、辣油、花椒など多種類の辛さに味噌の甘みとコク、ニンニクやしょうがなどの幾層にも重なった馥郁たる香りが美味しい麻婆豆腐のレシピ。炸醤は先に作っておく必要がある。

材料 3-4人前

ニンニク 一欠片 みじん切り
しょうが 一欠片 みじん切り
白ネギ 一本 みじん切り
白ネギの青い部分 トッピング。お好みの量で千切り
豆腐 一丁 小さすぎず、適度な大きさにカット
炸醤 中サイズのお玉1杯分程度

ごま油 適量
砂糖 小さじ1
塩 適量
紹興酒 適量 ※料理酒で代用可
醤油 大さじ1

郫県豆板醤 小さじ2 ※一般的なものでも可
甜麺醤 大さじ4
麻辣醤 小さじ2 ※辛いのでお好みで量を調節
朝天唐辛子と花椒のオイル 小さじ1-2
辣油 大さじ1-2

鶏ガラスープ 小さじ3杯程度を水に溶かしておく。
白胡椒 パウダー適量
黒胡椒 パウダー適量
花椒 パウダー適量
豆豉 6,7粒程度 ホールとみじん切りを半々

片栗粉 水に溶かしておく。適量

作り方

豆腐の塩茹で
α 以下の工程と並行して、豆腐を塩茹でするために火を入れておく。最初は中火程度で沸騰したら弱火にする。塩加減はだいたい7%程度。海水の塩分濃度は3.5%程度なので、倍ぐらいの濃さをイメージ。ちょうど茹で上がったプルプルの状態でタレにまぜると完璧。

タレ作り
1 ごま油でニンニクとしょうがをじっくり狐色になるまで弱火で炒める。

2 白ネギを投入し、色が透明になるまで弱火でじっくりと炒める。炒め終わったら一旦、火を止める。

3 豆板醤、甜麺醤、麻辣醤、朝天唐辛子と花椒のオイル、辣油を入れ、沸々と泡が出るまでよく弱火-中火で火を通す。これによって、香りが生まれる。

4 弱火。炸醤、紹興酒、砂糖を入れサっと炒める。フライパン手前に具材を寄せ、フライパンを立てて、奥に火があたるようにしつつ醤油を入れ、醤油をサっと焦がす。焦がし醤油は具材と混ぜる。

5 弱火。4に対し、鶏ガラスープ、黒胡椒、白胡椒、花椒のみじんぎり、豆豉を入れる。水の多少によって、味の濃さを調節できるため、豆腐が入ることをイメージしながら、味を調節。

6 茹で上がった豆腐を、目の粗いザル、あるいは、穴付きお玉などで水を切りつつ、決して崩さないよう慎重にタレへ入れていく。

7 "火を止めて水溶き片栗粉を少量入れ、弱火で並行にフライパンをゆする" を何度か繰り返し、まんべんなくお好みのとろみをつける。最後はとろみを固めることと、豆腐を焼くために、フライパンの周りに少量の油を入れ、強火で焦げないようフライパンをゆする。

8 最後に、辣油をふりかけて、完成。食べる際にネギの青い部分の千切りを乗せて食べるとより美味しい。

ポイント

・豆板醤は、郫県豆板醤(ピーシェントウバンジャン)と呼ばれるものがとても良い。日本で流通している一般的な豆板醤が1-2ヶ月程度の発酵で出荷されるのに対して、郫県豆板醤は、2-4年熟成させるため、辛さと同時にコクが強い。陳建一は、「豆板醤は日本でいう味噌のようなものだ」といい、一般的な豆板醤は豆板醤に似た別のものだという。Amazonで1000g, 約2200円程度で手に入る。

・豆腐の塩茹でをする理由は、浸透圧の関係で、豆腐内部の水分を飛ばし崩れにくくすること、下味をつけること、という2つの作用を狙っている。麻婆豆腐は、豆腐の食感を楽しむ料理なので、タレと絡める際にも豆腐はできる限り崩さないよう配慮する。

・ニンニクとしょうがのみじん切りをよく炒め 〜 ネギをよく炒め 〜 味噌をよく炒め 〜 醤油を焦がす 〜 など、材料を入れるたびにそれぞれにしっかりと火を通すことで、複数の香りの層を作る。カレー作りの際にスパイスを炒めることと同じ考え方と思うと良い。

・麻婆豆腐は焦げるギリギリを狙う炒め料理だが、焦げが入っては台無しになってしまうため、その見極めが大切。四川料理は、「煎(ジェン)」と呼ばれ、よく焼くことが肝要。

・複数の辛さの種類を幾層にも重ねることによって、奥深い辛みを作ることができるため、アレンジで四川産の粉唐辛子を入れても美味しい。基本は豆板醤が味の中心になるため、もし、朝天唐辛子などがなければ使わなくても十分美味しくできる。

・豆豉(とうち)は美味しくする上でとても重要なため必ず入れたい。豆豉は汚れがついている可能性があるため、サっと洗いキッチンペーパーなどで少し水気を取る。みじん切りとホールで分けることによって、隠し味と、食味になる。豆豉は、黒豆に塩を加えて発酵させた調味料。独特のチョコレートのような風味と塩味、コクがある。

・白胡椒は、味にまぎれつつ、ボケた味をはっきりさせることができる。黒胡椒は主張が強い。花椒はみじん切りの大きさによって辛みが変わり、大きいほど痺れが強く、小さいほど痺れよりも香りが引き立つ。お好みによって、大小と量を調節すると良い。

・白ネギの青い部分について、硫化メチルという成分が辛みの成分だが、水溶性のため、千切りにしたあと水にさらすと辛みが抑えられる。

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