クリエイティブとは道をつくることである

クリエイティブとは道を創ることだ。

道が開かれれば、そこに人が集まり、その道を活かして各々勝手に露店を出したりして、商売を始める。その内、商店街ができ、神輿の通り道にもなったりして賑やかになる。賑やかになれば益々人が集まってきて活気づく。そうなれば、とても良い道だったのだろう。

しかし、どうだ、例えば、道を創った当の僕本人が、その道を自分の作品だからと云って我が物顔で占拠封鎖してしまえば、人が通ることはできず、その道はたちまちにして死んでしまうだろう。そうなってしまえば、もう既に、その道は役目を果たすことはできない。

一方で、誰も通らなさそうなところに道を創っても仕方がない。人の役に立つことで道はその役目を果たすのだから。沢山の人が集まって賑やかになることで、その道は天命を全うする。

日の当たる表道も、日の当たらない裏道も、それぞれに役割があり、それぞれの用を為す。裏道にも裏道ならではの風情や趣、店構えがあるものだろう。どちらが優れているか、という問題ではない。

つまり、良い道とは立派な道なのだ。普段は人々に意識されないけれども、その道がなければ、そもそも何も起きなかったのだった。無だったのだ。誰に気付かれずとも、しっかりとその役目を果たすことこそ立派なことはない。それこそが本当のクリエイティブだと僕は思う。

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