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クローバー

小学3年の息子が、四つ葉のクローバーを手の甲に載せてた日。

これ、どうしたの?と聞くと、「K先生が描いてくれた。」と息子。K先生とはスクールカウンセラーの先生。

カウンセリングルームには、色々な事情で教室にいられない常連の子が何人かいる。

あの頃は、生きるため、子供のためと言いながら、朝早くから夜遅くまで花屋で働いて、息子をあまり構ってやらなかったと思う。きっと淋しかったんだろうな。息子は学校で、行動が不安定になっている事が多々あったようで。

教室を飛び出したり、ランドセルの中身を道路に落としたまま登校したり、、

私は職場で弱みを見せたくない、社会に認められたいという意識が多分強くて、2人で過ごす時間を優先してはいなかった。

でも絵はずっと残しておく訳にもいかないので、その日、誰が泣いて、何が面白かったか、久しぶりにゆっくりお喋りしながら消した。絵はなかなか消えなくて、長い時間、息子の手を握りながら2人で過ごした。

手に書かれた緑のハート型の葉っぱが、少しだけ親子の時間を作ってくれてた。K先生の優しい策略だったのかもしれないし、偶然かもしれない。

何でクローバー?人気のキャラクターでも息子の大好きな昆虫でもなく。

運動会の日、近くの喫茶店でK先生に偶然会ったので聞いてみた。

「ママが花が好きだから、植物を描いて!」と言われたということ。

子供は親が子を見ている以上に親を見ているんだと思う。

忙しそうな母へ向けた優しさ?

気を使って、カッコつけて、構ってと言えない、9歳の男の子の作戦だったのかな。


クローバー

シロツメグサ、小葉を3枚持つ。それぞれに希望、誠実、愛情の意味がある。チッソを土に取り込む性質があり、良質な土になる。幼い頃に踏まれたり傷ついたりして4枚に分かれる事がある。4枚目の葉に幸運という意味がある。












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