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ハヤトウリの使い道

 ハヤトウリを知っているか?この小ぶりの緑色の瓜は熱帯アメリカ原産のツル科の植物である。私はとある県の地元の直売所で売られていて初めて知った。ハロウィンの時にたまにスーパーにある小さいカボチャくらい使い道がわからなかったが(というかそもそも食べられるのか?)、そこに住む知人が美味しいというので、3個入りのものを買ってみることにした。

 帰宅し、最近買った麻のエプロンを巻いてさっそく調理にとりかかる。丁寧に洗ってからすべての皮をむく。1つはそのまま糠漬けに。最近糠床をつくったのでちょうどいい野菜を探していたのだ。大根、白菜、ピーマン、なすはもう試して、だいぶ育ってきたので、満を持してのハヤトウリ。一日と少しくらい漬けておく。

 もう一つは知人おススメの卵とじに。鶏肉を炒めて、その後に薄切りにしたハヤトウリ、しめじをいれて塩コショウ、和風だしでさらに炒める。さっと炒めるくらいがちょうどよさそうだったので、すぐに卵液をいれてフライパンに蓋をする。おお、艶々として美味しそうだ。一口味見をすると、ハヤトウリのコリコリとした食感が他の食材と絶妙に合う。もう一度作ってもいいくらいの美味しい。
 今日のお昼ご飯は、この炒め物とかけそばにすることに。最後に残った瓜は、前から挑戦したかった、とあるデザートを作ることにした。

 夕方のチャイムがなった午後17時。イチョウ切りにしたハヤトウリを砂糖、バター、シナモンで水分が飛ぶまで煮炒める。出来上がったら火を止めてそのまま冷ましておく。その間に出来合いの生地を解凍しておいて、その生地を8等分、そのうちの半分にフォークで穴をあけておく。ここでもう私が何を作ろうとしているか分かった人もいるだろう。

 できた瓜のコンポートをその生地に載せて、穴の開いていないほうの生地をかぶせて包む。卵黄を表面に塗って120度に予熱したオーブンで20分くらい。
 そう、ハヤトウリのアップルパイが、今日のデザートだ。冷めないうちに、紅茶と一緒にいただくことにする。普通の林檎と違いがほとんどないものがつくれたので大満足。残りの三つは、ゆっくりと食べる事にする。
 甘いものもしょっぱいものも、たった三つの同じ野菜で作ることができてしまった。シャキシャキとした食感なので、あんかけや味噌汁に入れてもおいしいかもしれない。アップルパイのように、コンポートとして違う甘味を作ってもいいかもしれない。

 いろいろな発見がありそうだ。たまには未知の食材を探求するのも良い。

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