見出し画像

#49 cathedral大聖堂とchair椅子の語源は同じ? 印欧祖語*sed-の単語の広がりを見る。

今日のMW(Merriam-Webster)の今日の単語はsupersede (v)だった。super "above" + sedere "to sit"とされており、sedereは印欧祖語*sed-に遡る。「上に座る」→「優れている」→「取って代わる」と意味進化したのではないかと考えられないこともない。

さて、その印欧祖語*sed- (to sit)は現在様々な語に受け継がれている。assess, cathedral, chair, nest, obsess, possess, saddle, seat, session, settle, sit, size, subsidyなど、こんな単語も!?と思う語もいくつか示されている。

cathedralとchair

まず、sを含む綴りが多い中、これも?と不思議に思うのは、cathedral「大聖堂」だと思う。*sed-とどうつながるのかとKDEE(英語語源辞典)を調べると「主教の方座のある」と示してある。主教なので、bishopである。遡るとギリシャ語 kathedra(= seat)の元がkata "down" + hedra "seat" であり、このhedraの元が印欧祖語*sed-のようだ。で、びっくりchairもこのkathedra(= seat)に遡る。つまり、cathedralとchairは同じ語に由来する語となる。

nest

nestも不思議な語だ。KDEEで調べると「原義 a place where a bird sits down」と記されている。なるほど。

sizeとassess

他にも、sizeはもともとassizeだったのが、a+sizeと異分析されて、sizeになったことが示されている。意味も決定→決められた量、サイズという流れのようだった。このassizeは元はラテン語 assidere 「評価する」由来だが、assessも同じラテン語 assidere由来である。KDEEでは、assessの項目にassidereの意味は「to sit, stand or be at one's side as attendant, aid, protector(付き添い、援助、保護者として座る、立つ、側にいる)」と書かれており、評価するのは「側にいる」という語に由来するのだなとしみじみと思ったりする。

今日はこんなところです。

今日のWords of the day. さまざまな辞書から。

Glastonbury (n) イギリス、サマセット州にある町。歴史と音楽の街だ。Collinsだが、今日から新シリーズで、まだ何つながりか見えない。-boroughと-buryについては、先日の堀田先生のVoicyに詳しい。
Conspicuous (adj) 目立つ、顕著な、の意。ラテン語の「conspicuus」から。「con(共に)」+「specere(見る)」に由来。いわゆるspect系。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?