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#51 カレドニアの半合とは?

本日の堀田先生のVoicyがアスペクトこと「進行」や「完了」と時制の絡み合いについてであった。

アスペクトは「相」と訳されている。そのため、興味深い内容であったにも関わらず、Voicyを聴きながら、ついつい、ずっと頭の中で「そうか、そうですね」を連発してしまった。でも、それは自分だけではないはずだ(と思いたい)。

本題

さて、本日のOEDの今日の言葉はびっくりだった。なんと、Caledonian antisyzygyである。

まず、定義としては「文学に特に反映された、スコットランド人の際立った特徴として考えられ、または示されている対照的または相違ある性質や考え、原理の共存」という意味になる。調べると、1919年にScotlandのグレゴリースミスによる造語のようだ。最初定義を見た時は一体何のことやらと思ったが、一つずつ説明してみる。

Caledonianとは

Caldedonianはカレドニアの形容詞形であり、そのカレドニアはScotlandの旧名とされる。CaledoniaもScotlandもどちらも語源不詳だ。また、ニューカレドニアもすぐに思い浮かぶが、そちらはは、クック船長が発見し、父親の故郷であるスコットランドを思い出して命名したとされている。

antisyzygyとは

次にantisyzygyだが、英辞郎にも掲載されていない語である。まずsyzygyは天体用語で、流行りの三体(この場合は、太陽、月、地球)が一直線に並ぶ状態を示す。ただし、もともとはくびき(対となるもの)が一緒になる(syn-)ことを意味する。この場合、anti-がついているので「離合」かと思うが、この場合はanti-が「相反するもの」との意味となり、「相反するものが一緒になること」=共存となる。

カレドニアの反合!?

以上の二つの語が結びついて、意味的には「カレドニアの反合(共存)」となる。ただし、これだけではさっぱりわからないので、深掘りする。WikipediaにはこのCaledonian antisyzygyの項目があり、読むとT.S. ElliotなどがScotlandの地方文学には意味がないと指摘すると、グレゴリースミスが、単一性のなさ、もしくは相矛盾するものが1つの中に収まっているところが、多様性としてスコットランド文学の基礎を築いていると主張したことが記されている。つまり、スミスは欠点は長所と主張したわけだが、価値の反転とも言える。時間がないので、今日は書けないが、実は最近このような価値の反転が多々あったので、興味深かった。

今日はこんなところです。

今日のWords of the day. さまざまな辞書から。

clandestine (adj) 内密の。ラテン語clandestinus "secret"に由来。
Cowes (n) イギリスの地名。Collinsは何シリーズなのか。今だに見えず。
folly (n) foolとほぼ同根。用例にhis folly in thinking that he would not be noticedとあり、愚かさと訳せるかと考えるが、Wisdom4では愚の骨頂や若気の至りなどの例があった。


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