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#50 信号無視横断とハンガーゲームのつながりを考える。

久しぶりに「何も言えなくて…夏」が聞こえてきて、そう言えばJaywalkのjayとは何か問題に迫っていなかったなとまたもや自らの語源中毒度のレベルの低さを認識し、猛省した。ちなみにjaywalkとは英語では危険横断または無断横断を指す言葉である。

で、まずは、お馴染みのKDEE(英語語源辞典)でjaywalkを調べた。記載なし。で、映画The Hunger Gamesでよく知られるjayこと、カケスのjayを見る。The Hunger Gamesでは、架空の鳥Mocking Jayが主人公のシンボルとなっている。

KDEEでは、jay(カケス)はかろうじて掲載されていた(わずか5行だ)。読んでみると、擬音語とされていたので、鳴き声と考え、サントリーのサイトで検索(鳴き声が聞ける)。

確かにこのサイトでも鳴き声との関連が示唆されている。また、etymonlineで調べてみても"probably echoic of the bird's harsh warning cry"との記述がある。

Collinsを調べると、jayには鳥の名前と"a foolish or gullible person"(愚か者)という意味が掲載されており、同辞書のjaywalkでは、jayは後者由来とされている。おそらくjayの鳴き声に由来して、「うるさい」から「無謀な」ぐらいの意味変化があったのかもしれないと思う。

jaywalkだけではなかった。

で、ここまで調べたところで、改めてMW(Merriam-Webster)を調べてみると、なんとJaywalkに関する記事「なぜ無断横断をJaywalkと呼ぶのか」を見つけた。最初からこれを見ればよかった

記事によると、もともとはアメリカのカンサスで、馬車または自動車を運転する際に交通ルールを守らない人をjay-driverと呼んでいたようで、それが歩行者にも適応されて、jaywalkerと呼ばれるようになったとのこと。ただjaywalkerも最初は、歩く時のマナーの悪い人ぐらいの意味だったのが、横断についての意味に限定されてきたようだ。なるほど。

話は戻るが、jay-driverは今は使用されず、後で適用されたjaywalkだけ生き残っている。なぜだろうか。しかしながら、日本では高齢社会で、昨今高速道路を逆走したり、様々なJayな事件が発生している。残念ながら、jaydrivingかjaydriverが言葉として意識されやすい状況となっている。とはいえ、カケス的には、メタファーで勝手にrudeな場合にjay何ちゃらと呼ばれ、迷惑に感じているのかもしれない。ちょっと(?)古いが、ジェジェジェと思い、そう鳴いているのかもしれないと感じた。

今日はこんなところです。

今日のWords of the day. さまざまな辞書から。

polemic (n) 論争、論戦。controversyとは異なり、ある立場からの論争とされ、controversyは和解を目指す場合もある。語源的には、polemos "war"から。
en fête (adj, adv) 祭りや会合のために着飾っての意味。 "Everyone was en fête."だと、結婚式前かな?と感じる。
convince (v) ラテン語 convincere “to prove untrue"から。com- + vincere “to defeat”。
water-funk (n) OEDより。水嫌い、あるいは風呂嫌い。datedと書かれており、古い感じがする言葉。funkには臆病者という意味があるので、そこからか。funkyだと「かっこいい」の意味もあり、positiveな意味とnegativeな意味が混じり合っている。

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