「壁とアルコールとアイドル」キャストインタビュー(くによし組壁短編集『壁背負う人々』より)
くによし組壁短編集「壁背負う人々」のキャストインタビューです。
本日は、「壁とアルコールとアイドル」のキャストの皆さんとお話しました。
○あらすじ
壁教の女、アルコール依存の女、アイドルファンの女による、アイデンティティを巡るお話。
◯出演者
菊池美里(壁教の女性役)
笠井幽夏子(アル中の女性役)
小嶋直子(アイドルファンの女性役)
聞く人 國吉咲貴
いる人 永井一信(アイデンティティ役)
國吉「インタビューを始めます。最初に、劇団の印象を教えてもらってもよろしいでしょうか。では・・きくちゃんからお願いします」
菊池「劇団の印象・・出していただくのは何度目かなんですが・・相変わらず・・優しい」
國吉「おお」
笠井「優しい・・」
國吉「おお」
小嶋「腰が低くて・・優しい・・」
國吉「優しいしか出てこないですね」
小嶋「あっ、優しいは前情報としてあったんですけど、思ってたよりは喋ってくれるなって・・いい意味でイメージと違った印象もあります」
國吉「では次に、作品と役の印象を教えてください。(永井さんと目が合い)あ、永井さんも出るじゃないか」
永井「気づきましたか」
國吉「では永井さんからお願いします」
永井「作品は・・初演も僕は出てるんですけど・・。くによし組は過去にいろんなものを人間にしてきてるのですが、最初にこの台本をもらったときに、アイデンティティを喋らせるっていうのが・・難しくもあり、すごい面白いなって思って。今回改めて読んで、すごくくによし組っぽい作品だなと感じました。僕はそのアイデンティティ役なんですが・・アイデンティティとどう向き合うかっていうのは、この短編集通してのテーマでもあると思うので、難しいことはあまり考えずに、一人の人間として、アイデンティティを演じられたらと思います」
國吉「初演からキャストさんが変わりましたが、全然雰囲気が違いますね」
永井「もう全然違いますね。でもすでに楽しい。これからどうなっていくか楽しみです」
國吉「きくちゃんはいかがですか?」
菊池「私はこの役の子みたいに、女の子と集まってきゃっきゃする機会があまりないので・・その辺が嘘っぽくならないように・・」
一同(笑う)
國吉「役の印象はどうですか?」
菊池「壁を背負うのに憧れがあったので・・」
國吉「えっ、そうなんですか!?」
菊池「くによし組見たときに、『何、壁背負うって?』っていつも思って、私も背負いたいって」
國吉「背負いたかったんだ・・!」
菊池「嬉しいけど、その気負いが見えないように・・ナチュラルに壁を背負いたいです」
國吉「初演は私がきくちゃんの役だったんです」
菊池「あ、そうなんだ」
國吉「こんな風になるのかっていう違いがすごい楽しいです。笠井さんはいかがですか?」
笠井「作品の印象としては・・面白いです。とても面白いです」
國吉「嬉しい」
笠井「役の印象としては・・私もアル中みたいなときがあったので・・」
國吉「そうなんですか!?」
笠井「なのですごい(役が)わかります。ちゃんとアル中になれるように頑張ります」
一同(笑う)
笠井「あと私は女友達ときゃっきゃするタイプなので・・自然なきゃっきゃができるように」
小嶋「くによし組の作品って、普段気づいているけど目を背けちゃってるようなことをすごいうまく提示してくれる印象があって・・役者をしていると、自分の個性とか強みについてきちんと向き合わないと・・と思いつつ、怖いからそこから目を背けちゃうってことを私はしちゃうんですけど・・この作品は、そういうのとかをすごい考えさせられるのに笑っちゃう、というのが、凄いなと思います」
國吉「役はどうですか?」
小嶋「こういうこと言うの恥ずかしいんですけど・・くによし組オーディションのときにこの役を読んで・・そのときにすごい自分の中でしっくり来て」
國吉「そうだったんですか・・!」
小嶋「読みやすっ!なんだこれっ!ってなって」
笠井「読みやすそうでした」
國吉「そう、小嶋さんと笠井さん、オーディションで同じチームだったんですよね」
永井「あの回は凄かったですね」
國吉「お二人ともイメージにぴったりでした」
小嶋「オーディションのあとも印象に残ってたので、同じ役ができるのが嬉しいです」
國吉「では最後に、この壁短編集をどんな人に見てほしいですか?」
永井「・・行き詰まってる人。誰しも全部がうまく行ってる人はいないと思うんですが・・でもちょっとつまづいてる人とかが見てくれたら、共感もできるし、最後、なにか心にグッと来たりするものがあるんじゃないかと思います。・・でももう、本当にたくさんの人に見てもらえたら・・」
菊池「私の周り、いろんな人がくによし組が好きで・・」
國吉「え、嬉しい」
菊池「誰が見ても・・何かしら・・残るようなものがあるのでは・・」
國吉「誰が見てもいいと」
菊池「・・誰にでも・・見てほしい」
國吉「誰にでも見てほしいですね」
笠井「私、出産して、本当にアイデンティティが崩壊したんです。映画も見られなくなったし、好きなことする時間もなくなったし・・。それはすごい晴天の霹靂で。産後うつってそういうことなのかなと思うんですけど、アイデンティティの喪失というか。で、結構メンタル大荒れだったんです。けどそれまでいなかった息子の存在とか、生活も変わっていったりとかそういうのがあって、結局生きてるんですよね、アイデンティティがなくなっても。
だから、私は何者でなくても生きていけるんだなって思える経験をした感じがあって。まさに『壁とアルコールとアイドル』はそういう話だなと思います。・・生きていけばなんとかなるということで・・どんな人にも見てほしいです」
小嶋「生きづらいなとか、馴染めないなとかいう気持ちを抱えてる人にはすごい刺さるのかなと思います。何も悩みがない人はいないから、万人に見てほしいです。あ、でも私、案内メールを送るときに毎回、『私が出てなくても、全人類に一度は見てほしいくによし組です』って言ってるんです」
國吉「えー! すごい嬉しい!」
小嶋「なので全人類に見てほしいです」
國吉「わーい! ありがとうございました!」
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