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味のない世界は味気ない

先日、不覚にも風邪をひいてしまいました。
だるさと熱っぽさとでかなりしんどかったです。

あと、味覚障害にもなりましたね。
何を食べても味がしないんです。

これまで風邪をひいて食べ物の味がしないということは何度かありましたが、たいていは1日、2日で治っていました。

でも今回のは、それが1週間くらい続いたもんだから、もしずっとこの症状のままだったらヤダなーと思ったりなんかして。

味がないとご飯を食べた気がせん!
食事は人生の楽しみの1つなので、それがなくなっちゃったら生きる意味がない、味のない世界はなんとも味気ない、みたいな。

風邪による味覚障害の原因は、鼻づまりによる嗅覚の低下や、高熱や免疫力の低下によって味蕾(みらい)に異変が生じるからだそうです。

ちなみに、味蕾とは、舌の上面などにある食べ物の味を感じる器官のことです。

味覚には5つ、基本味というのがあります。
塩味、甘味、酸味、苦味、そしてうま味です。

この5つはそれぞれ、体にとって重要な役割を担っています。


◇◇◇

塩味は、体に必要なミネラルを摂取するため。
甘味は、エネルギー源である糖質を摂取するため。
酸味は、腐った食べ物を避けるため。
苦味は、体に害のある毒を避けるため。
うま味は、体を作るたんぱく質を摂取するため。

このようにそれぞれ役割があります。

味覚もまた、我々人類が生き残るために進化していったものなんですね。
料理を楽しむために進化したものじゃなかった、、。

◇◇◇

そうそう、5つの基本味の中で「うま味」は、日本人が発見したそうですね。

1908年、池田菊苗博士は、昆布からグルタミン酸を取り出すことに成功、昆布の主成分がグルタミン酸であることを突き止め、その味を「うま味」と命名しました。

うま味が基本味であることが世界的に合意したのは1980年代になってからだそうです。

発見されてからだいぶ経ってからだったんですね。

まあ、だしの文化がない外国人には、うま味と言われてもピンとこなかったのかもしれません。実際、うま味に対応する外国語はなく、日本語のまま「umami」という表現が世界中で使われています。

うま味の調味料と言えば「味の素」ですが、最近料理をする時は重宝しています。

塩気が足りないときは塩を、甘さが足りないときは砂糖を。
と同じノリで、うま味が足りないときは味の素を加えています。

うま味を意識すると料理が上手になるし、楽しくなりますね。

昆布の主成分がうま味なら昆布だしを加えたらいいんじゃね?と思うかもですが、ノンノンノン、そうじゃないんですな。

昆布の風味はいらんのです。うま味だけを加えたいのです。
となるとやっぱり味の素なんすね。

純粋にうま味だけの調味料である味の素。
昔からあるわけですが、その便利さ、すごさに最近改めて気づいたわけです。

なにやら味の素は体に悪い、という人も一定数するようですね。
塩も砂糖も摂りすぎれば体に悪いですが、それはまあ置いといて。

味の素は誕生してから100年以上の歴史がありますのが、その間、味の素が原因で亡くなったという人は一人もいません。

これがファイナルアンサー、何を気にすることがあんねん。
と個人的には思うわけです。

◇◇◇

風邪をひいていた期間、1週間くらいは大好きなお酒はさすがに控えていました。

風邪が治り、1週間ぶりにビールを飲む瞬間、「久々だからさぞうまかろう」と思ったのですが、いざ飲んでみるとそうでもない、てかマズい。

ビールってこんなに苦かったっけ?と思うくらい苦みが強く感じられたんです。

苦味はもともと、体にとって有害なものかどうかを判断するために発達してきました。でもその苦みが、体に害はない大丈夫なものだと分かり、繰り返し口にしていくと、その苦みはおいしさに変わります。

「この苦さがうまいねん」という感覚は経験を積み重ねた大人だからわかることなんですね。

味覚は戻ったものの、ビールはまずくなった。
あれだけ大好きだったビールが。

この先オレは、その日の疲れを何で癒せばいいのか。
「1日の終わり=ビール」という黄金の方程式が崩れ去る時が来るなんて、なんとも味気ない世界、、、。

と、途方に暮れかけたのもつかの間、次の日は前と同じようにおいしく飲めてました。

1週間ビールを飲まなかったのは人生初でした。だから久方ぶりに口にしたビールに舌がびっくりして苦さを強調したんだと思われます。

元通りの味覚に戻ってよかった!
味のある世界が人生を豊かにしますな。










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