ダメになる会話「どうにも止まらない」

店長「むぅ〜、悔しい!」
店員「どうしたんですか?1000枚買った宝クジが全部はずれたんですか?」
店長「そうなんだよ、ヘソクリ全部つぎ込んだのにものの見事にハズレちゃって明日からどうしようって、そんなには買わないよっ!」
店員「じゃあ何を悔しがってたんですか?」
店長「山盛りチャレンジカレーだよ。」
店員「店長が話題作りにはじめた懸賞金付きのあのメニューがどうかしたんですか?FBIに目をつけられたんですか?」
店長「そうなんだよ、突然黒服の男達がやって来てこの店を封鎖するといいだしたからさぁ大変って、FBIはそんなすぐ来ないよ!」
店員「店長はボケをふられると必ずノリツッコミで返しますね。」
店長「昔漫才師を目指してた頃の修行が身にに染み付いちゃってるんだよ。だから変なボケふらないでね。」
店員「で、山盛りチャレンジカレーがどうしたんですか?」
店長「いつも部活帰りにくる野球部の連中いるだろ?」
店員「ああ、あの全員身長が3メートルくらいある連中ですか。」
店長「そうそう、もうみんなすごい背が高いから入り口で全員が頭ぶつけちゃってごっつんごっつん大変なんだからって、そんなに高くねぇよっ!」
店員「断りませんねぇ。」
店長「疲れるんだからもう余計なボケ振らないでよ。話が進まないでしょうが。」
店員「野球部の連中がどうしたんです?」
店長「この間キャッチャーのなんとかいう奴が山盛りチャレンジカレーを注文したんだよ。」
店員「ずいぶん変わった名前ですね。」
店長「そうなんだよ、ナントカ山くんって言うらしいんだけど意外と日本に五人ほどいるらしいよって、ナントカは名前じゃねえよっ!」
店員「本当に断りませんねぇ。」
店長「だからやめろっていってんだろ!カレー食わせるぞっ!」
店員「珍しい脅し文句だな。」
店長「山盛りチャンレンジカレー見て、あいつなんて言ったと思う?」
店員「あまりの量に言葉を失ったとか?」
店長「『トンカツのトッピングできますか?』だとよ。」
店員「トッピング追加したんですか?!」
店長「ああ、しかも全部キレイにたいらげて行きやがった。」
店員「マジですか。人間じゃありませんね。」
店長「そうなんだよ。全身が機械化されたサイボーグで食べるたびにウィーンガシャウィーンガシャうるせぇって、そういう意味じゃねぇよっ!」
店員「今のは僕、ボケてません。」
店長「うんゴメン、今のは俺のせいだった。とにかく、こんな屈辱を受けたのは久しぶりだぜ。」
店員「SMクラブの女王様にお仕置きされて以来ですね。」
店長「そうだね、あの時はもうヒールで踏まれるたびに目がでたり引っ込んだりって、ならねえよ!そんな風にはっ!」
店員「SMクラブなんか行かねえよっていうツッコミじゃ無いんですね。」
店長「適当なボケで人のプライベートを暴かないでよ。それよりカレーだよ。山盛りチャレンジカレーはもうやめだ。他に客寄せになりそうな企画は無いかな。」
店員「店長がビキニ着て接客するっていうのはどうです?」
店長「そうねぇ、ダイエットしてウエストも細くなったことだし、思い切ってビキニに挑戦しちゃおっかなって、気持ち悪いだろ!中年のおっさんがビキニ着て誰が嬉しいんだよ!」
店員「店長がクネクネすんの超気持ち悪かったです。」
店長「俺だってやりたくないんだよ、でも反射的にやっちゃうんだよ。」
店員「反射ですか。シュレディンガーの犬ですね。」
店長「そうそう、箱の中で生きてんのかな〜?死んでんのかな〜?開けてみないとわかんないよねって、開けりゃいいだろ!悩むような事かっ!じゃなくてシュレディンガーは猫だろ!パブロフ!犬のほうはパブロフ!わかりにくいよ!パブロフは有名だけどシュレディンガー知ってる前提のボケとかツッコミもしにくいわ!っていうか無駄にボケをふるなっていってんだろ!…ハァ、ハァ…」
店員「すごい勢いでツッコミ倒しましたね。」
店長「もうマジでやめて、心臓痛い。ツッコむときテンションあげちゃうからすごい疲れる」
店員「実は店長…」
店長「ハァ…ハァ…何?」
店員「僕も昔漫才の特訓してたせいで、ツッコミの人がいるとボケを振ってしまう病気なんです。」
店長「ええ?!君も?!」
店員「だから自分でもどうにも止められないんです。山本リンダ並みに。」
店長「ハァ、ハァ、昔流行ったよね〜『も・お・ど・う・に・も・止まらない〜』って、じゃ、なくて!誰か止めてぇ〜!」

-END-

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