ダメになる会話「病院」

医者「次の方どうぞー。」

患者「よろしくお願いします。」

医者「こんにちは。えーと、じゃあ風邪ですね。」

患者「え?」

医者「え?」

患者「あの、僕まだ何も言ってませんけど?」

医者「ええ、先手を打ちましたから。」

患者「いや、自慢げに言われても。なんで風邪ってことに
   しちゃったんですか?」

医者「普通違うんですか?」

患者「違いますね。全然違いますね。」

医者「あれ?そうだったかな?」

患者「だいたいどこのお医者さんでも第一声は『今日はどうされましたか?』みたいな感じですよ?」

医者「あー、そっちか。」

患者「そっちってなんだ。だいたい、話も聞かず診察もしないで
   結果風邪じゃなかったら大問題になりますよ?」

医者「結果風邪だったら問題なしでしょう?」

患者「まあ、そうかもしれませんけど、だからいいってもんでも
   ないでしょう。そうじゃなくて、病院としての信頼をおとしますよ
   って話ですよ。」

医者「そりゃ大変だ。診察しましょう。」

患者「普通この説明いりませんけどね。まあいいや。お願いします。」

医者「じゃあ、とりあえず椅子の上でバク転してみてください。」

患者「なんで?!」

医者「バク転できる元気があれば大丈夫だとおもって。」

患者「あれ?ここ病院ですよね?僕来るとこ間違えてないですよね?」

医者「たぶんあってると思いますよ。たぶんですけど。」

患者「なんでそこ自信ないんですか。あなたほんとにお医者さんですか?」

医者「実は僕、今日からここで働くことになりまして。」

患者「ほんとに怪しくなってきた。医師免許もってるんですよね?」

医者「6枚もってます。」

患者「1枚でいいですよ。むしろそんなに持ってるの変でしょ。
   犯罪の匂いすらするわ。」

医者「同僚と医師免許をかけて勝負したら、なんか大勝ちしちゃって。」

患者「医者ってそんな勝負すんの?それすごい大事なやつだよね?」

医者「命より大事ですね。」

患者「だとしたらあなた5人ほど殺してることになりますけど。」

医者「そんなつもりじゃなかったんです!」

患者「そうでしょうね。まあそうでしょうね。たぶん死んでないから
   大丈夫ですよ。」

医者「毎日手術手術の退屈な日々に刺激がほしかったんです。」

患者「そんな気持ちで手術されたくないなあ。」

医者「それでつい、医師免許をかけてだれが一番無駄に手術を
   長引かせられるかを競いまして。」

患者「その賭けに6人も参加した状況が想像できない。」

医者「その時は5人でやりました。」

患者「どっちでもいいです。それで、あなたが一番長引かせたんですか?」

医者「いえ、僕は一番短かったんです。他の人は、長引かせすぎちゃって
   …患者さんが…」

患者「まさか…」

医者「病院で大問題になりまして。」

患者「でしょうね。ならないわけがない。」

医者「不幸な事故でした。」

患者「事故でもなんでもない。聞くんじゃなかった。」

医者「結果的に彼らは医師免許がいらなくなってしまいまして。」

患者「むしろあなたがまだ医者なことに驚きを隠せません。
   あれ?てことは、あなた外科医なんですか?」

医者「はい。」

患者「ここ内科ですよ?風邪ひいた人とかがくるところですよ?」

医者「だからとりあえず『風邪ですね』って言ってみたんです。」

患者「あぁ、それでか… いや、じゃなくて、内科の先生は
   どうしたんですか?」
医者「昨日賭けに負けて医者をやめました。」

患者「あ!6人目?!」

-END-

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