ダメになる会話「ミイラ その2」

ミイラA「ミイラをブレイクさせるアイデアをいろいろ考えたんだよ。」
ミイラB「へえ、どんなの?」
ミイラA「やっぱ萌えキャラは必要でしょ。」
ミイラB「いきなり難度高いのきたなあ。」
ミイラA「ミイラなのに萌え萌えなの。」
ミイラB「萌え萌えでもミイラじゃダメだろって気がするけどね。」
ミイラA「あとゆるキャラね。ほほえましいデザインで。」
ミイラB「どの辺がゆるいの?」
ミイラA「包帯がゆるゆる。中身が見えちゃう。」
ミイラB「中身が見えちゃった時点でもう誰も笑えないよね。」
ミイラA「あとさ、俺ら英語だと『マミー』っていうらしいんだよ。」
ミイラB「ミイラなら大体知ってる。」
ミイラA「外国じゃお母さんのことも『マミー』っていうじゃん。だからさ、育児グッズのマスコットキャラクターになったらどうかな?」
ミイラB「ミイラが書いてある哺乳瓶を赤ちゃんに与えたいマミーは多くないと思うんだ。」
ミイラA「なんだよ!ダメだしばっかじゃないか!」
ミイラB「いやそもそもさ、ミイラは赤ちゃんと対極にいるわけじゃない?」
ミイラA「対極?」
ミイラB「赤ちゃんが生命の象徴なら、ミイラは死の象徴でしょ。」
ミイラA「まあ、そう言われればそうかな。」
ミイラB「自分を卑下するつもりはないけど、赤ちゃんのグッズにミイラはちょっと無理があると思うよ。」
ミイラA「そっかあ…。はあ~、どうにかしてメジャーになれないかなあ。」
ミイラB「どうしてそんなにメジャーな存在になりたいわけ?」
ミイラA「え?そりゃ女の子にモテたいからだよ。」
ミイラB「え?」
ミイラA「ん?そんなに変な事いった?」
ミイラB「いや、変ではないけど、ちょっと予想外だったな。」
ミイラA「この間、知り合いのゾンビに自慢されたんだよ。」
ミイラB「どんな?」
ミイラA「女の子と会うと必ずキャーキャー言われるんだって。」
ミイラB「…なるほど。」
ミイラA「『このあいだ、とびきり可愛い子を食っちゃったよー。』とかさ。」
ミイラB「…文字通り食っちゃったんだろうね。」
ミイラA「うらやましいなー。」
ミイラB「多分勘違いしてると思う。」
ミイラA「はぁ~、もう何年女の子と話してないんだろ。」
ミイラB「してるよ。」
ミイラA「え?」
ミイラB「今してるよ。私、女だもん。」
ミイラA「ええええ!?そうなの!?」
ミイラB「わかんなかった?」
ミイラA「だって全身包帯だもの!」
ミイラB「声もくぐもってるしね。」
ミイラA「あわわ、女ってわかったら急に緊張してきちゃった。」
ミイラB「でも、あなたの好みのタイプとは限らないわよ?」
ミイラA「いや、大丈夫だとおもうよ、俺、許容範囲広いし。」
ミイラB「じゃあ、どんな子がタイプ?」
ミイラA「ぽっちゃり系!」
ミイラB「そんな無茶な…」

-END-

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