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君もきっと会社員になるので伝えておこう【第3章】マスオ、管理部門と絡む①

さて、またまた間が空いてしまったが、今回は管理部門を掘り下げてみよう。前回の復習はこちら。

さて、管理部門と一言で言っても、具体的な役割はもっと細かく分類できる。例えば、人事、経理、財務、法務、総務などなど。これらが人事部や経理部というように、そのまま組織名になることが多いけれど、規模が大きくない会社では財務経理部といったように、複数の役割を一つの部署で担うこともある。いずれにせよ、どの役割も会社で働く人なら誰もが知っている身近なものだ。

逆に言うと、会社で働いて、それらの部署と接点を持たない限り、その仕事の中身をイメージすることは理解するのは難しい。つまり、君にとって、ワカラナイのは当然でもある。

ということで、唐突だけど、少しでもイメージできるように、マスオさんの立場になって管理部門との接点をシミュレーションしてみよう。マスオさんとは、言わずもがな、サザエさんの旦那であるフグ田マスオさんのことだ。

マスオさんの勤務先は海山商事で、営業課に所属しているという。つまり、管理部門ではない。彼は会社生活で、どのように管理部門と関わるのか。

時計を巻き戻せば、マスオさんも学生で、就職活動を経て、海山商事に採用されたはずだ。その時、最初に出会った海山商事の社員は人事部の人だったに違いない。採用は人事部の役割だからだ。

晴れて入社した後、新人研修を受け持ったり、マスオさんの能力や適性、希望を踏まえて、今の営業課に配属させたのも人事部だ。

さて、それから数年。すっかり課の中堅に成長したマスオは合羽橋にある中小企業、渚(なぎさ)工業の潮田社長の元へ足繁く通っていた。同社が開発中のある商品に惚れこんだからだ。

その商品とは、ドローン。無論、単なるドローンではない。寿司桶を搭載したまま空を飛べる、つまりお寿司の出前ができる画期的なドローンなのだ。

人手不足に苦しむ寿司屋さんにとっては夢のようなドローン、その名も「トローン」に大きな将来性を感じたマスオは、潮田社長に対し、海山商事が開発を支援する代わりに、その販売を一手に引き受けることを持ちかけているのである。知らんけど(笑)。

さて、マスオの粘りが功を奏し、頑固者の潮田社長がついに首を縦に振った。海山商事がその販売を独占的に(=海山商事の他には販売しない)手がけることになったのである。

課長やアナゴから労いの言葉受けつつ、マスオがまず取りかかったのが渚工業との契約だ。年間最低XX台はトローンを仕入れますよ、とか海山商事以外には売ってはダメよ、とかトローンのお金はいつどのように支払いますよ、といったことをしっかりと書き込む必要がある。この契約書の準備をマスオは法務部に依頼した。

法務部とは「法律や契約の詳しい知識を持つ社内の専門家集団」だ。会社が結ぶ契約のチェックはもちろん、会社がトラブルで取引先に訴えられた時も、法務部が中心になって、時には社外の弁護士の協力を得ながら対応する。

さて、渚工業との契約も無事に終わり、潮田社長と笑顔で握手を交わしたマスオ。「社長、我らがトローンをどんどん作って、どんどん売りましょう!」しかし、満面の笑みの潮田社長がいった一言に愕然とする。「そうだね。フグ田さん、それじゃあ、月末までにXX万円頼むよ。」

そう、契約上、海山商事は渚工業から商品を仕入れる前に、代金の半分を支払う(前払いする)ことを約束していたのだ。XX万円は、海山商事にとって、小さな金額ではない。会社にお金があるだろうか。不安に思ったマスオが相談したのが財務部だ。

財務部の大きな役割は、「会社に必要なお金を集めてくること」(調達という)だからだ。会社へのお金の出し手は株主(会社を持っている人たち、投資家、あるいはオーナーともいう)や銀行がある。

今回は、銀行からの借り入れで必要なお金が賄えることがわかり、マスオもホッと一安心。アナゴを誘って一杯引っ掛け、上機嫌で帰宅したのであった。

さて、今回はここまで。マスオがトローンの商売を軌道に乗せるために、(何十年も待ち続けている?)出世を掴むためには、これからどんな管理部門と絡むのでしょう。次回に期待!ふんがっふふ!(真似しちゃダメなやつね)。




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