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2022 0211 ユアネス ONE-MAN-LIVE TOUR 2022 '' 6 case ''大阪 umeda TRAD 公演

ユアネスのONE-MAN-LIVE TOUR 2022  '' 6 case ''の大阪 umeda TRAD 公演に行った。

ユアネスは唯一インディーズバンドで追いかけ続けているバンドだ。
ワンマンに行くのはこれが3度目であった。
ユアネスはライブを見る度に素人目に見ても分かるほどの成長を遂げているので、今回もどんなライブが見られるのかと期待に胸を膨らませながら会場に向かった。

また、今回のライブを楽しみにしていた理由がもう1つある。それは、今回のライブがフルアルバムを引っさげて行う初のツアーであったからだ。アルバムの世界をどうライブに投影させるのか。いつもライブを通して特有の世界観を創り上げてきたユアネスだからこそ、私の中での期待値がいつもに増して高まっていた。

今回のライブは整理番号が10番台ととても早かったために最前に近い場所でライブを見ることができた。

今日のユアネスもやはり、圧巻だった。


憂いをたっぷりと含んだ歌詞を、ボーカルの黒川は言葉では形容できないほどの繊細さと生気をもった声で歌う。
彼は時々何かが憑依しているように見えた。
今まで散々「透明感」と評されてきた彼の歌声は、曲によって、またはフレーズによって、ころころとその色を変えた。
黒にも白にも赤にも、透明にもなった。
もう、彼の歌声は透明感というひとつの言葉で表現するのはナンセンスだと会場中の人が思ったことだろう。

また、ユアネスが人を惹きつける所以は彼の歌を支えるギター、ベース、ドラムであるとも言える。
なぜなら、ボーカルの綺麗な歌声とは一見(一聴?)かけ離れているようにも思える楽器陣の掻き鳴らすような激しい演奏が、彼の歌声とひとつになることで他のバンドにはないギャップが生まれているからだ。
今日のライブではそのギャップを強く感じ改めて惹かれた。

残酷さまでもを感じてしまうくらいに綺麗で、儚くて、優しくて。だけどどこか人間臭くて狂気を孕んでいて。(↑努力はしたがユアネスを一言で表すのは不可能だった。様々な要素を持ち合わせすぎている。)


今日のライブのハイライトとして1曲あげるなら、間違いなく「49/51 feat.nemoi」だろう。
この曲は今までのユアネスにはないキャッチーさとシティポップ感を感じさせる曲である。
ユアネスの楽曲の中では異質であり、それと同時にユアネスファン以外の層にもじわじわと広がりを見せつつある、ユアネスの新たな武器のような曲だ。

なんと今日のライブのアンコールでは、この曲をゲストボーカルとしてnemoiを招き披露したのだ。

最終公演でもない今日の公演にnemoiが登場するというのは予想外であり、誰しもがこの曲を今日生で聴く未来を想像していなかったであろう。会場は一瞬困惑と興奮でざわめいた。(実際はnemoiが大阪出身であるために今日の公演に出たらしい。ちなみに最終公演である東京公演にも参加するそうだ。)

nemoiを迎えての「49/51」は、今までに見たことのない空間だった。
まず、バラードが多めのユアネスのライブにおいて観客が笑顔で手を叩いている様子が新鮮だった。
そしてメンバーがにこにこしながら音にノっているのも新鮮だった。

あの空間を言葉にするのが本当に難しい。ので陳腐な表現をするが許してほしい。

あの空間が、あの時間が単純にただただ楽しかった。
ああ、音楽っていいなと強く思った。

壊れてしまいそうな刹那で壮大な世界を数分前まで作りあげていたユアネスが、笑って心から楽しそうに演奏している。
その事実が一観客として一ファンとしてとても嬉しかった。(勿論それまでの過程を彼らが楽しんでないという訳ではない。彼らなりに楽しみながらあの世界をつくっているというのが大前提。)

最後に新たなユアネスを見せ、終焉を迎えたこの公演。
本当に本当に素晴らしかった。

他にも感じたことや書きたいことは山ほどあるが、一応ライブレポートなので感想はこれまでにしておく。
個人的にボーカル黒川のMCがこれからの指針にしていきたいと思うくらい心にずっしり響いたのでスマホのメモにこっそり残しておいた。

ライブに行く度に新たな魅力を見つけてしまうバンド。
それがユアネスだ。

次にユアネスを見るときには彼らの音楽がどのような姿をしているのか楽しみでならない。


そして最後に。
見届けることはできないが、このツアーが最終公演まで無事に開催されますように。

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