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自分は先天性嗅覚障害者2

前回に続き、もうちょっと自己紹介
今回は少し具体的に
嗅覚が無いと“空気”が分からないというお話


君が心をくれたからというドラマ
ヒロインの永野芽郁ちゃんが、交通事故で亡くなる彼氏()を甦らせる代償に、心すなわち五感を失う
という物語。
五感を失った生活がどうこう、という訳では無いんだが。僕が生まれつき嗅覚の無い先天性嗅覚障害者なので、嗅覚が無かったらという話をしようかと。

あんまり書いてる人いないしね。
前回も触れた通り、普段の生活はあまり健常者と変わらない。災害時に非常に致命的になるだけで。

嗅覚が無いと“空気”がわからない

これはとっても比喩的であり、そのまんまである。

そのまんまの意味

嗅覚とは、気体を検知するもの。
対して味覚は液体を検知する。
どちらも神経による電気信号なのだが、
それぞれ異なる。

そういった意味では、
普段人が感じる空気がわからない。
雨上がりの土臭い、料理の混ざりあった匂い、
香水や汗、焦げ臭い匂い。
そういった色んな空気がわからない。

比喩的

色んな空気それぞれに、匂いが関連しているので、空気が分かりずらい。
そこに追い打ちをかけるように、空気は複合する
例えば、花火大会。

夏のジメッとした風が吹く土手に沿って、
立ち並ぶ屋台を行き交う数多の人々。
すっきりとした暗い夜の空に数千発の花火が打ち込まれ、消えた後に残る名残の煙。

このどれもが分からない。
つまるところ、雰囲気がわからない、のである。
ただ人に揉まれ、大きな大きな花火の音が耳に響き
帰りの電車はごった返し。
それくらいしか印象につかない…。

君が心をくれたからでは、
花火師の彼が、ヒロインに花火を観せる、
花火大会で打ち上げる()から始まり、
終わって欲しいものだが。
嗅覚だけでなく、五感全て失った彼女は
花火を楽しめるのだろうか…。 

嗅覚が無い僕は、全く花火大会を楽しめない。
誰かと一緒に行く、ことでしか正直楽しめない。
それだけは匂いに依存しないからで、
触覚と視覚、聴覚が生きているからできる。
たぶん、皆が当たり前じゃんって思うだろうけど、
それが出来なくなるのが障害なのである。

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