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不幸のすべて・第三十三話「心の力を抜く」

 前回はトランス状態に入りかけた時に目がどのような状態になるかについてお話しました。今回はそれの続きです。
 意識が少しトランス状態に入った時、まぶたの内側を意識し出すと、あたかもテレビのノイズのようにある種のパターンが見えはじめます。このノイズのパターンは不規則な印象がありますが、時々、規則的に見えることがあります。それはまるでノイズが整列するかのような感じです。その配列はほんの一瞬でフラッシュ・バックのような感じさえします。これの感じ方は人によって様々ですが、基本的にはここで説明するのと同じ現象だと思います。
 このトレーニングをすると、意識がなくなる瞬間にノイズが止まるか整列するような印象を受けることに気づきます。それが正解です。そして、ノイズの中にかすかに形が見えはじめます。その形は最初は簡単なものです。
 たとえば三角とか四角と言った単純な図形のようなものを感じるかも知れません。それはまるでノイズの明るい部分がつながって出来ているように見えます。それを見ていると、突然、フラッシュ・バックのように様々なものが見えはじめます。その時に見えるものの多くは、ちょっと思い出したことに限定されています。
 たとえば瞑想に入る前に見たテレビのシーンの断片とか、今日、体験した出来事の断片とかが多いと思います。
 あるいはその時に聞こえた音が映像化され、目の前に見えることもあります。ここが重要なポイントです。この瞬間がと言い変えた方が適切かも知れません。この瞬間、あなたの意識は夢と現実の中間にあります。
 ここで気を抜くとそのまま夢がはじまります。そして気がつくと夢を見ていたことすら忘れ、何分か、あるいは何時間かが経過しています。

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