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播磨陰陽師の独り言・第520話「ラジオ時代の終焉」

 ラジオ放送がはじまって約百年、AMラジオは2024年2月で廃止になります。つまり今年で終わります。と言うのはデジタル時代に移行したからではなく、今まで使っていたAMラジオのアンテナなどが老朽化して、
——わざわざアンテナを建て替えるならFMで良いんじゃないの?
 と言うことになったからのようです。
 FMラジオ用のアンテナに比べて、AMラジオのアンテナ設備は大きく、予算が大きく掛かるそうです。
 私は、朝起きるとラジオを聞いています。家は電波が入らないので、らじるらじるで聞いています。らじるらじると言うのは、リアルタイムにネットで配信されているNHKのラジオのことです。リアルタイムと言っても数秒の誤差があるため、時報は少しずれています。朝の忙しい時間に音で時刻が分かるのと、最新の話題やニュースが聞けるので、とても便利です。
 子供の頃はずっとラジオを聞いていました。それも、主にFMラジオでした。昔はラジカセと呼ばれるラジオ付きカセットステレオプレーヤーで聞くのが主流でした。最近、レトロブームで昔のラジカセがかなり高価で売られています。ラジオ専用のクーガーと呼ばれる機械を弟が持っていたので、それを聞いていた時期もありました。最近までポータブルラジオを持っていたのですが、家では電波が入らないのと、AM放送が終わるので、もう飾るしかありませんね。
 子供の頃は、病弱で家で寝ていることが多かったので、その時にずっとFMラジオを聞いていました。田舎で他局がなかったのでNHKだけを聞いていました。中学生くらいの頃は、NHKのFMラジオで、デビュー間もない中島みゆきさんがDJをやっていました。中島みゆきさんは帯広の出身なので、地元で皆が応援していました。私にとっては〈中島産婦人科のみゆきお姉さん〉でしかありません。地元の人の多くは中島みゆきさんの実家である中島産婦人科で生まれるので、皆、みゆきお姉さんと呼ぶのです。
 ラジオでは、クラシックやバロック音楽を聞くのが好きでした。私がこの時代の音楽に詳しいのは、ラジオで『バロック音楽の楽しみ』を聞いていたからです。また、本の朗読もたくさん聞きました。多くの本も読みましたが、やはりラジオの朗読が記憶に残ります。中でも『定本食堂楽』が強く記憶に残っていて、何年も古本屋さんをまわって、大人になってから全巻を手に入れました。この本を手にした時、深く感動したのを覚えています。

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