「独身である」という負い目が女を狂わせる

とあるブログを見つけた。

書いているのは都内在中のアラフォー独身女性。友達がとても多く、趣味も充実している。職場環境も良く、仕事もバリバリこなして周囲からの信頼も厚いようだ。私からすれば、雲の上のようにキラキラした人生だった。

しかし彼女は「私なんてもう子供も産めないし、結婚してもらえるほどの価値もない」「私は不真面目で役立たずだ。消えてしまいたい」と書いているのである。

ちょっと待ってくれ。貴女ほど周囲から好感を持たれて人生が充実した人が役立たずだとしたら、私などとっくの昔に生きることを許されていないぞ。

なぜ「独身」「子どもがいない」というだけで、他の持っている価値が無に帰すのかが私にはわからなかった。

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私の好きな作家さんに「雨宮まみ」さんという方がいた。

「いた」と過去形なのは、すでに故人だからである。

彼女は女性が見た目で判断されることや、独身であることで人間性まで批判されることについて問題視していた。同時に、世間から白い目で見られて傷付いた独身女性たちを優しく慰めていた。

そして彼女自身も、アラフォーで独身だった。「別に結婚しなくてもいいじゃないか」と発言しつつも、自身が独身であることに対して負い目を抱いていたように見えた。

雨宮さんの死因は「自宅で事故死」となっている。それ以上のことは何も公表されていない。ただ、私は……自殺だったのではないかと勝手に思っている。誰よりも優しく繊細で他者を思いやる気持ちの強かった雨宮さんだが、そんな女性が世間の言葉で傷付かないわけがない。他人を励ます一方で、実は誰よりも傷付いていたのでは……と考えてしまう。

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上に書いたブログの女性も雨宮さんも、仕事では成功しているし、友達も多くて楽しめる趣味もあった。にも拘らず「結婚していない」という事実が、これほどまでに女性の心を苦しめるのだ。「生き方の多様化」と言われる2020年になってもである。

私の好きな作家さんで、もう一人「アルテイシア」さんという方がいるのだが。彼女も女性の外見批評を嫌悪し、独身女性を応援している。しかし彼女には悲壮感がないというか、余裕が垣間見えるのは、彼女が『既婚者』だからだと思う。

思うに。持たざる者が「持っていなくていいよ」というのと、持つ者が「持っていなくていいよ」というのは、雲泥の差だと思う。

正直、既婚者に「別に独身だって気楽でいいじゃない」と言われても、「でも貴女は結婚を選びましたよね??」と私は言いたくて仕方ないのである。

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記事を2つぶっ通しで書いて、正直頭が回っていない。

私が言いたいのは、「独身である」という負い目は、女性の人生を狂わせるのに十分なものなのだということである。

しかし、これまで何度も恋人がいて結婚できなかった女性と、私のような人生で一度も愛されたことのない女性とでは雲泥の差だと思うので「喪女を舐めるな」と叫びたくなる。

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