十分すぎる彼
彼は無条件に私に愛を注いでくれる。
私の顔や声、が好きな訳ではなく。
ただ、かわいい、愛おしい。そう言ってくれる。
身に余る愛。私には、十分すぎるほどだ。
私も、彼の中身にも惚れている。
不器用で、一生懸命で、心配性で優しすぎて、、。そういう中身に惹かれたから好きなのだ。でも、初めは声と仕草が好きで、一目惚れだった。
なんで、私なの?どこがいいの?その好きにちゃんと理由はあるの?
そんなことばかり考えてしまう。疑い深い自分が嫌になる。
「なんでそんなに疑うの?信じてくれないの?」
好きだった人に言われた言葉がよぎる。
私だって、信じたい。好きだからこそ、信じたい。のに、
好きだからこそ、心配になってしまう。
そうやって、いつも相手を傷つけてきた。
だから、彼には、そんな疑念を抱くことはしたくない。
自分も信じて、「好き」を貫き通したい。
自分が彼を好きだということは揺らがないのだと、彼に伝えたい。
彼を手放したくない。与えられる愛を注ぎたい。
ただ、今感じている幸せを存分に味わいたい。そう思う。