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母親の呪縛

心理カウンセラー中尾英司先生の本を読んだ時、
ある事件の真相に迫れたように思えた。

なかなか際どいタイトルではあるが、
実際に中尾先生が全国各地の教育関連施設で行われた講演会でも
この本に救われたという人も多いとのことだ。

この本では主に、昔ある事件を起こした少年(当時)を題材にし
事件後、両親の手記が出版され、その本の内容をもとに、
親の接し方が子供にどのように影響を受けていったのかが心理分析されている。

少年が犯罪に至るまでの経緯で、特に母親からの影響が強かったとのことだ。
影響が強いと書いたが、
むしろ母親は積極的に少年と距離を取っていたように思えた。
母親自身、少年との接し方がよくわかっていない。
そんな印象を持った。

一般的な占星術的で考えてみると、
母親を示すのは「月」である。
ただ私が思うのは、
個人のホロスコープにおいて海王星の方がより母親的な感じがするのだ。

実際の母親は「月」だすると、
海王星はグレートマザーと呼ばれるだけあって、
虚像としての母親、
イメージの中の理想とする母親は
海王星で示されているのではないかと思う。

つまりホロスコープで海王星が強く影響している場合は、
理想の母親像という幻想を抱きやすいのではないだろうか。

少年は水星と海王星のアスペクトを持っていた。
このアスペクトから、
理想の母親から愛されたいという希望と、
理想の母親に失望されたくない自分との葛藤も感じられる。
ただ、理想の母親はあくまで幻想なのだ。

実際の母親は少年との関わり方が不器用で、
少年にとっては理想と現実と
の狭間での揺れ動きが激しかったのかもしれない。

先日記事に書いた関西の集団暴行事件の主犯格の男性も
太陽と海王星のアスペクトを持っていた。

その男性は事件後自首する前に母親に
「お母さんの子供で幸せでした」とメールを送っていたそうだ。

ほんとだろうか?
幸せだった人間が、残虐な罪を犯すだろうか?

本当にその母親の元に生まれて幸せだったならば、
どこかで踏みとどまっていたはずだ。
彼の中にも理想の母親がいたのではないかと思う。

理想の母親から愛される。
それは不可能なのだ。
でもそれを叶えようと子供は必死になる。

大事なのはそんな母親はいないと気づくことだ。
理想の母親の呪縛から解き放たれた時、
本当の自由が手に入る。

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