見出し画像

むいてないと思いますという呪縛

先日、運転しながら音声配信をラジオ代わりに聞いていたところ、
リスナーさんからのお便り紹介で、
「娘が芸大を受験したいと言い出しました。
娘には向いていないと思いますが・・・」
という語りだし。
むいていない と子どもに言ってしまうのは危険だな~
と自らの経験をふり返った上で感じた話を書こうと思います。

私自信は芸大出身ですが、芸大だけでなく、何をするにも
親としては自分の経験や情勢、懐具合から
「それはむいていないと思うよ。」
「それして何になるの?」(職業的にも)
「食べていけるの?」
とつい言い放ってしまう方も多いと思います。

私自身のことになりますが、

今振りかえれば、幼少期にナナフシであい
「木が動いてる!!」
と衝撃を受けました。
その後、昆虫を観察、小学生になるとシートン動物記や
ファーブル昆虫記を楽しみ、後に、南方熊楠を知り、
粘菌に興味をもち、また、深海の映像を見て、
チューブワームの生態に興味を持ち、大学の生物の授業では
クマムシの生態に驚き、興味を持っていました。

しかし、上記の通り、私の出身は芸大。生物学部には進学できていません。

中学、高校時代も数学の成績は良く、社会は常に赤点レベルで、
誰がどう見ても理系の方向性の成績。

「大学は理系で大学へ行きたい。」と母に伝えてみましたが、
「数学得意か?」
「理系の大学行って何になるの?」

と言われてしまい、そこで諦めてしまいました。
おそらく、反対したわけでも、
諦めさそうといういわけでもないとは思いますが、
(実際、芸大の中でも音楽科へ行きたいといったときは価格的に
反対されました。内訳聞いて私も大納得の理由でした。)
現在では、生物学や農学への興味はもちつつ、もちろん
社会人入試も視野に入れ常に画策中ですが、との当時は、
親が反対しない進学先、反対しない方法のみを考えてしまい、
数学も理科も努力をやめたので、あっという間に成績も落ち

「ほら、やっぱりむいてない。」

と言われました。

おそらく、むいてる か むいていない かで考えたら、どう考えてもむいていたし、芸大よりはるかに楽しく勉強できたと思います。

実際、絵を描くのは嫌いです。でも、両親の思いが芸大(自営業の内容から)への思いがあったので、芸大へ進学しましたが、4年間絵を描かなくてよい学科を選択し進学しました。

母が良く言っていたのは、
「本当にやりたいことやったら、親が反対してもやるでしょう。」
という事。

でもね、本当はね、

私は親の反対や言われるクレーム量が少ない方を選んで押し通してみただけで、一番やりたいことでなく、2番目にしたいこと、3番目にしたいことを様子をみながらそっとづつやってみてたので、一番やりたいことは反対される前から言いもしないし、やりもしてない。

高校の時の大学への進学の際が一番顕著でしたが、
幼少期から「バレエがしたい。」というと、「日本人顔にはむいてないし、体系もむいてない」と言われ、

あのね・・・プロになりたかったわけじゃないの。
ちょっと体験したみたかっただけなのね。
体験する前に否定されたら、それ以上どうしようもないのね。

そんな自分の教訓を活かして、

長男が「宇宙飛行士になりたい。」と幼少期に言い出した時に
(それは、単純に仮面ライダーフォーゼ全盛期だったからなだけで、宇宙飛行士が何かわからず言ってました。)
そうか、宇宙飛行士か。と思い、なぜか「虫歯作ったらダメ」というごくごく表層の馬鹿みたいに薄い知識で、長男の歯磨きだけは頑張りました。

えぇ、他に頑張る所はもっといっぱいあると思いますが、なんせ幼稚園以下だったのでね、「歯磨き頑張ろう!」が一番現実的だっただけです。それが功を奏してか、中学生になった今も虫歯なしです。そして高い所が苦手らしく宇宙飛行士は無理だそうです。

次男は、「仮面ライダーか戦隊ヒーローになりたい。」というので、それは格闘技しとかないとね。と格闘技(幼稚園で空手教室があったのでそれに入っただけの緩いものです)をはじめてみましたが、数年後次男に
「お母さん、そうじゃなくって変身前の方・・・」と言われました。
すっかりスーツアクターかと・・・・幼稚園の時には、ジュノンに応募してくれと言われましたが、「さすがに、それはまだ早いわ。」伝えました。

今現在、「ジュノンには応募しなくていいから!」と先日、本人からストップがかかりました。やっぱ、スーツアクターの方にするそうです。(いや、それもよくわからんけど)

そんな息子たちですが、サッカーにどうやらはまったようで、サッカーの練習には熱心。そして、一生懸命サッカー選手になる方法を探っています。

私と夫は、インドア派。読書、映画鑑賞、観劇が趣味。運動は私は出来る限りやりたくない、夫は野球をやったり色々やってましたが、部活で楽しむ程度。そんな二人の子供、

むいてないよ。
なれるわけないよ。
そういう遺伝子はないよ。

と言うのは簡単です。

仮面ライダーになりたいをとっても、
変身前か変身後か、脚本家なのか、カメラマンなのか、など
関わり方は多種多様で、
ひとくちにサッカーといっても、選手、コーチ、監督、トレーナー、スポーツアナリスト、サッカー解説者などなど経験したからなれる関連職もあれば
みんながみんなプロを目指しているわけではないでしょう。
プロになれるかなれないかは本人が練習を重ねるなかで
自分の力量に気が付き、方向転換をする。

親は、子どもが方向転換をしたときに、いかようにもなるように
常に態勢を整えておくのが役目なのかなと思っています。

どんな時でも、どんな内容でも、
むいてない というのではなく、

どうしてそれがしたいの?
どんなところに魅力を感じているの?
実際はどんなのか調べてみた?

など声掛けは色々工夫できると思います。

むいてない と何度も言われ傷ついた人程、
つい、口から「むいてないよ。」と言ってしまいがちなので、

できる限り言わないようにすることと、
「むいてない。」と言われ悲しかった自分をしっかり
慰めてあげて欲しいなど思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?