夏の口笛

夏の風がそっと頬を撫でる,
あの夜のキャンプ場。  
焚き火の前で出会った瞬間,
胸の奥で小さな火が灯った。

悔し涙がこぼれた夜,
君は静かに口笛を吹いた。  
その音色は,
切なさと共に夜空に溶け込んでいく。

今はもう,
手を伸ばしても届かないけれど,
夏の終わりに響くあの口笛が,
心の中で永遠に鳴り響いている。  
それが,私たちの最後の思い出。

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