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格闘技道場(2)カポエイラ

世界3ヵ国。28の他流派 道場・ジムに出稽古に行った事がある。MMA、キックボクシング、柔術、ちょっと違ったところで、カポエイラ、サンボ、システマ、クラヴマガ…。レベルもマチマチ。排他的なところから、優しくところまで。

大学で空手、アメリカに渡りグレイシー柔術、帰国してMMA(総合格闘技)に身を投じたが、怪我で引退。さて次に何をしようか。インターネットで見つけたのが「カポエイラ」

インパクトがあってキャリアに繋がる修行の場を探していた自分には、非常に興味深い武術だった。
高校生の頃に読んだ格闘技の本で初めてその名を知った。ブラジルに足だけで戦う武術があると。手だけで闘うのがボクシング。ならばその逆もあって良い。そして、空手の達人、かの大山倍達も手合わせして苦戦したほどの猛者がいるとも噂されるのがカポエイラ。80年代は、アリナミンAの名高達郎が出るCFでお茶の間に流れて、その存在を知った人も多いでしょう。まず街の喧嘩でカポエイラを使う奴なんてお目にかかれない。絡んできたヤンキー兄ちゃんも相手がいきなりファイテンポーズで逆立ちしてきたらビビるだろ。
ネットで調べると、住まいの近くにもカポエイラを習える場所がある事が判明した!これは体験に行かねばなるまい。まずはメールだ。
他流の経験者というものは、道場破りかと警戒され、場合によっては、可愛がりと言う名前の下に、ボコボコにされる恐れがある。それなりに鍛えた自分ではあるが、ヤツらは奇襲で急所を狙ってくる。卑怯もクソもない。やったもんガチだ。足の指は踏まれても良い様に、レスリングシューズを履く。金的はファールカップでガード。目は不意打ちで、やられない様に細心の注意を払う。
ブラジルのファビオ兄弟の旋風脚が襲ってくるかも知れない。五本抜き手の名手、眼突きのゴローがてぐすね引いて、待ち構えているかも知れない。一歩入ったら、そこは、格闘地獄変!生きて帰れるかは腕次第。
「頼れる者は己のみ」好奇心と、緊張感がないまぜの中、引き攣った表情のまま、稽古場の扉を開けた。
「こんばんわ〜🎵」そこに待ち構えていたのは、笑顔で出迎える20代の美しい女性だった。あまつさえ握手さえ求めてくる。あれ…俺の闘いのワンダーランドは?いきなり拍子抜けだ。
やがて、先生と呼ばれる男性がやってきた。30代の短髪だが、筋肉質と言うより、痩せ型の大人しめの人だ。格闘と言うよりは、もう完全にダンスサークル。

ではまずみんなで歌いましょう。
歌〜?
(ブラジルだからポルトガル語の歌)
「🎵樹齢何百年と言われた伝説のボラウナの木が、崩れてしまった。
🎵それに比べてお前はどうだい?」
(ポルトガル原語は忘れました)
要は、「決して侮ってはならぬ」と言う人生訓だ。
その様な深い意味を持つ歌を、タンバリンや太鼓を奏でながら、みんなで歌う。タンバリンかと思ったが、見た目が似ているが、ビリンバウと言う列記としたブラジルの民族楽器らしい。

稽古は、回転回し蹴りや、派手な大技もあり、バク転やバク宙もある。カポエイラ、非常に興味深かったが、あの木のフロアでバク転をするのは、リスクありすぎる。首から落ちたら大怪我をする。また練習が日曜の夜と言うサザエさんシンドローム真っ只中の時間帯もきびしく、残念ながら、入会は断念した。やっとけば良かったかな。

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