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錆にまみれた日常を愛でる

友達との交流で表情が和らいだり、美しい景色と出逢って心を震わせたり、仕事を通じて自身の成長を実感したり。

僕の日常は、幸福な瞬間で溢れている。

…けれど、ピカピカに磨かれた金属のように、ずーっと輝いているわけではない。

普段通りの生活を自然と重ねることで、僕の日常はゆるやかに錆び、その輝きを失っていく。

まるで、空気に触れて錆びゆく鉄のように。

「普段通り」を続けていると、どこか情がありふれてしまう。

人情も、風情も、情熱も…

「普通」という凍てつく風に吹かれ、日常が風化してしまう。

だからこそ僕らは、『非日常』がやって来る瞬間を期待し、待ちわびて、錆びゆく日常を耐え忍ぶこともあるだろう。

しかし、「錆びゆく日常を愛でること」の方が、よほど大切で尊い時間なのでは?と、僕は思う。

僕らの繋がりを色濃くするために必要なものは、人生のハイライトや、キラりと輝く、非日常的な出来事だけじゃない。

「何を感じ、誰を想い、どんな日々を過ごしたか」

淡々とした日常を共有することで、深まる情がある。

どれだけドラマチックな出来事が起こったとしても、普段の日常を共有していなければ、そのハイライトは互いにとっての物語にならず、ただただ消費されてしまうだろう。

だからこそ、ピカピカに磨き上げられた非日常だけでなく、ゆるやかに錆びゆく日常をありのままに受け入れ、温かさが木漏れる瞬間を見逃したくない。

自然な"さび"があるからこそ…

他者の手を借りながら、日常を共に磨き合うことだってできるのだから。

鉄は自然と錆びてボロボロになってしまうけれど、手を加えて磨き上げることで、ピカピカに輝く面が浮き出てくる。

僕らの日常も、錆びゆく鉄と同じ。

自然の移ろいを受容しながら、侘しさを共有し、他者を信じ頼ることで、日常は豊かに輝き出すはずなんだ。

僕はそう信じている。

・・・読んで頂きありがとうございました(*^^*)

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【軟水のたそがれ】
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このnoteは筆者の思想を深堀りするエッセイです。
※毎週日曜日の夜に更新!

新たな1週間が始まる前に、何か大切なことに気がつくキッカケになれば嬉しいなと思っています!

ゆらりときらめく水鏡のように
他者の魅力を鮮やかに彩る存在でありたい


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