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「乱視を抜くVS慣れ」40代以降の勝者は?

今回は若手の頃失敗した処方例や、ベテランになった今でも失敗してしまった処方を紹介します。

なぜベテランになっても、これだけ測定のノウハウを解説していても失敗してしまうのか?

それは

「わかっているんだけど、その時の測定データとお客さんの反応を信じてしまう!!」からなんです。

それではさっそく、よくある失敗例を紹介していきます。

よくある失敗処方 その1

例えば最近の失敗例だと、

KBにC-0.50の乱視が入っていて、レフ値にも測定データでも乱視が出ず、乱視を抜くことで視力が0.4から0.8まで上がり、

なおかつ本人も「とても楽で見えやすい」とおっしゃられた場合です。

眼鏡を作成して数週間後、

50代で5年以上使っていた影響からか、「仕上がりの眼鏡が見えにくい」「前の眼鏡の方が楽に見えるように感じる」と言われるんですよ。

「あんなに「良く見える」って言ってたじゃない!!」って感じです。

いつも動画では、年配の慣れてる度数を大きく動かすな!とか言ってるんですけと、

それでもひっかかっちゃうんですよね。

とまぁ言い訳はこのくらいにして、つまりどれだけ測定に慣れていても

目の前で「楽に良く見える」と言われたら、「信じてみようかな」って思っちゃうわけですよ。

しかし!!今回の動画は自分への戒め回という名前の通り、また自分自身がひっかからないようにしたいと思います。

大切なことは、年齢によって「測定データ」を反映させるか「慣れ」を優先させるか?ということなんですよ。

よくある失敗処方その2

前回の動画でも紹介しましたが、「過矯正を下げすぎてしまう」ことです。

たしかに過矯正を下げることで今の状態にフィットして見えやすくなることはあります。

ただし、この方法はあきらかな意図があってメリットが多い場合に成立します。

それはお客さんが望んでいる時や、

免許更新などで視力が必要な場合です。

次に紹介する内容の場合は失敗する確率が高くなります。

「今の眼鏡の見え方に困っていないのに、よかれと思って下げてしまう」

「過矯正を下げても視力が対して変わらない」

「50代以上の方に度数を3段階以上変えてしまう」

この「よかれと思って」というのがポイントですね。

慣れればこの「よかれと思って」も意味をなすんですけど、年配の方は変化を違和感、見えにくいぞ!!と感じ

「前の方が見えたんじゃない?」と脳が指令を出し、新しい度数を拒絶してしまうんですよ。

50代以上の場合は、どんなに良かれと思っても、明確な意図がなければ極力KB度数から変化させないのが

失敗しにくい方法です。

よくある失敗処方その3

「初めての累進レンズに加入2.00以上入れてしまう」ことです。

遠近両用などの累進レンズには「1.75と2.00の壁」と言われるほどの大きな差が存在します。

そもそも累進レンズには内面累進やら両面設計やら、

極力ゆがみを感じにくいように努力はされていますが、

どうしても加入1.75と2.00には「歪みを感じやすくなる壁」があります。

初めての遠近両用が加入1.75までで済むのであればおそらく「遠近は最強」ですが、

初めての遠近両用が加入2.00以上入れなければならない場合、ご本人の覚悟が問われます。

例えるなら段階を踏んで累進レンズに慣れてきた人が、「原付→乗用車→大型トラック」の順だったとしたら、

加入2.00以上はいきなり「大型トラック」に慣れてくださいと言われているようなものです。

ここに年齢も加わり、若ければすぐになれるかもしれませんが、

60代を超えていきなり「慣れてね」と言われてもムリなんですよね。

もちろん慣れられる人もいますが、体感的に慣れられた人は3割もいない感じはしますね。

ですので、60代で加入が2.00必要な場合にはS面を抑えて、ある程度遠方を抑えることで加入を1.75以内におさめる処方の方が

慣れられる可能性があるので、お客さんと話し合ってみるといいですよ。

僕自身が1番失敗するのが1番目の、「乱視を抜くと楽に見える」という幻です。

今後も惑わされることもあるでしょうが、今回の動画を自分自身への戒めとしてなるべく失敗しないようにしたいと思います。

発動条件は次のとおり

・50歳以上で、5年以上使用している乱視はたとえ0.50でも抜かない

・逆軸になっていても良かれと思って抜かない

絶対に抜かない!!

乱視を抜くVS慣れの勝者は

「慣れ」です!!

ここまで読んでいただきありがとうございました😊
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