大丈夫
大丈夫?と聞かれれば、大丈夫。と答える。
大丈夫ではないと言うには勇気がいるみたいで。
いつの間にかそう聞かれたらそう答えるという普遍の原理ができあがっている。
いつからそれがあるのかはわからない。
なにかあった時、わたしは大丈夫?と聞かないようにしている。
ありがたいことに、わたしには20何年と培ってきた(拙い)言語力、語彙力がある。
近いものに変換ができるのだ。
誰かが転んでしまったなら「痛かったね」と。
顔を歪めていたなら「辛かったね」と。
泣いていたのなら「悲しかったね」と。
そして頭や背中を撫でる。
大切な人の痛みや傷口に寄り添いたいのだ。
わたしは良い人、善人ではない。
嫌いなやつや興味ないやつがそこら辺でくたばっていても心を痛めることはないだろう。
だが、大切な人は大切なのだ。
大丈夫?と聞いて、大丈夫。と嘘をつかせたくない。
わたしの中にある拙い語彙力でも、引き出して吐き出させて共に分かち合える。
だから、わたしは大丈夫?なんて聞かない。
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