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私を救ってくれたフジコ・ヘミングさんのピアノ

先日フジコ・ヘミングさんが亡くなったことを知った。
父からも連絡が来て驚いたけど、心配してくれたのだろう。

フジコさんのことを知ったきっかけは、
菅野美穂さんのドラマ。

ドラマには、今でも忘れられないシーンが2つあって

1つ目は、
フジコさんのお母さんが
ドイツ留学に旅立つフジコさんに向かって
「胸張って、前向いて、生きてくんだよ」
と泣きながら叫ぶシーン。

2つ目は、
お母さんが亡くなられてから
帰国した日本の教会で
「遅くなっても待っておれ。それは必ず訪れる。」※
というメッセージを受け取るシーン。
(※正確なメッセージとは違ってるかもしれない…)

人生に遅いことはない
今が最善なんだよ
と言われている気がして、心に強く残った。


ドラマを見た後にフジコさんのCDを買って
眠れない夜にラ・カンパネラを何度も聴いた。

その度にドラマのエンディングを思い出して
胸が熱くなったし、生きる力が湧いてきた。

ラ・カンパネラは難曲ゆえに
演奏者のありのままを
全部さらけ出してしまうような曲。

フジコさんの演奏は
一音一音の鐘の響きが
他の演奏者と全然違う気がする。
まさに魂のピアノ。

私も一瞬でもいいから
ラ・カンパネラを演奏したくなって、
ピアノの先生に頼んで冒頭だけレッスンをしてもらった。

本当に一瞬、冒頭だけ
弾けるようになった(今は弾けない)

コンサートにも何回か行くことができて、
最後に行ったのはしばらく前だったけど
いつも全身全霊で演奏会されていた。

92歳だったことも
昨年まで演奏活動を続けられていたことも
とても驚いたけれど

同じ時代を生きられて
同じ空間でピアノを聴くことができて
本当に幸せだったと思う。

人間の良い面も悪い面も
人生の良い面も悪い面も
たくさん見てこられたと思うので
天国ではどうか安らかに過ごされて欲しいと思う。

フジコさんのピアノに救われた一人として、
心からありがとうございました。

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