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縦と横

20210213

横書きの文章を書く勢いがおさまってきた。

この一年ほど書いてた文は、iPhoneに標準で入ってるメモアプリを使って書いていた。そしてそれをTwitterなり、SNSになげる。

全部横文字。左上から右下に言葉がならんでいく。

先日読んだ石川九楊『日本語のてざわり』の中で、言葉を連ねる際の縦書きと横書き、その違いについて触れている箇所がおもしろかった。

本の終盤に出てくるのだけど、それまでの割と理論だった展開とは違って、感覚でハッと受け容れられるかどうかって内容のように思う。

それは日本語をはじめ、漢字をベースとする、東アジアの文字の運び、文字にまつわる身体性の話だった。

一枚の紙と向き合った時、その紙に上と下、天と地を見出してしまうでしょう。縦書きってのは、天と地、重力のはたらく場所に言葉を立てていくことではないですか、と。

東アジアの人にとって、欧米人の宗教っていうベースに対応するのが、縦に書くってことではないかっていうのは、おもしろく読ませてもらった(詳細読んでください)。

書を一年ほどやってみて、縦で書ける言葉と横で書ける言葉ってのは違うなっていうことには実感があったから。

メモで書いた横書きの言葉を、書なんかで縦に書こうとすると、あれなんかしっくりこない、これは使えないって言葉が結構あった。

そういう感覚を持っているところに、『日本語のてざわり』を読んで、横書きの言葉のペース落とそうかって気になった。

横書きを減らして、立てる言葉、縦書きの言葉を少しずつ増やす。

僕がすぐ取り組めるのはリリックだなと、半紙に万年筆を使って手書きで書きはじめてみた。

これがずいぶんと楽しい。

幸いリリックは、ラップをつくるんだと言いながら一向に曲にはならないけど、書き溜めてるのがあるから、それを書ける。

手書きで気持ちよく文字が踊ってる感じがある。

これまで毎日横書きで文字を連ねていたのを、一日一日交互に、縦と横で言葉を書いていこうと思う。

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