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NPOインタビュー【コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン】

こんにちは。Giftの小山です。

今回、コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン(以下COJと記載)の事務局長の安谷屋貴子さんにインタビューをさせていただきました。

コミュニティ・オーガナイジングの目指す、「市民の力で社会を変える」というミッションと、その活動内容、そして運営面でのお話などを伺ってきました。

インタビューに入る前に、まずは、なぜ私がCOJにインタビューさせて頂いたのかという想いから、お伝えしたいと思います。

私自身Giftの活動を通して、「想いある社会活動を促進する」というミッションがあります。しかし、そのような社会を実現するためには私たちだけの力では難しいというのが現状です。

インタビューの中でもお伝えしますが、COJのミッションや目指す社会は、私たちGiftが目指したい社会ととても近いと思っています。そんなことを感じていたこともあり、昨年末の私の誕生日の記念に、こちらのCOJに対してささやかですが個人的に寄付をさせていただき、同じ志を持った仲間として応援していきたいと思ったのが今回のインタビューのきっかけです。

それでは、最後まで読んでいただけたら嬉しいです!


コミュニティ・オーガナイジングとは?

小山:まずは、コミュニティ・オーガナイジングを知らない方も多いと思いますので、お話を聞かせていただいてもよろしいですか?

安谷屋:私たちは、コミュニティ・オーガナイジングの説明をするときに、絵本のスイミーの話をよく使います。

スイミーのお話しの中で、あるとき海で大きな魚がやってきたときに、そのままでは食べられてしまいますが、そこにいた、小さな魚が集まって力を合わせて大きな魚のかたちをつくり、大きな魚を追い払います。

その中でも、スイミーは他の魚と違って色が黒いから、目になることができるのです。

スイミーは、もともとは他の魚と色が違うということでいじめられていたのですが、このときはその違いを活かして活躍することができました。

このお話にもある、
「違いを排除するのではなく尊重し活かしていくこと。」
「小さな力を結集して大きな力を作ること。」

という、この2つがコミュニティ・オーガナイジングの大事な要素です。

私たちは、諦めていることも多いですし、諦めさせられていることも多いように感じます。しかし、決して大きな魚に食べられることに甘んじていなくていいんです。小さな力でも集まれば大きな魚を追い払うこともできるということを知ってほしいと思っています。


市民が社会を変えるとは何か?

小山:小さな力を合わせて大きな力を作っていくというコンセプトにとても共感しています。その上で、なぜ、コミュニティ・オーガナイジングが必要なのかということを聞かせていただけますか?

安谷屋:今の日本では、市民の力で社会を変えることは難しいと考えている人が多いと思います。しかし、私たちは先程のスイミーの話にもあったように、小さな市民の力も集まれば社会を変える力になると考えています。もし、一人ではなく、仲間ができたら。私ではなく私達になったなら。コミュニティの力を使ったら社会を変えることができると思うのです。

誰かに「こうしなさい」と言われたからやるのではなく、みんなで話し合って作っていく。そうすると、いやいやじゃなくて本当にやりたい目標ができてきて、もっと能動的にコミットすることができるのではないかと思うのです。

「自分たちにも変える力がある!」と人々が感じることができるような、変化を起こせたらそれが、成功体験となって力となるし、「ちょっとおかしいな!」と思ったとき、また変えられると信じることができるなら、コミュニティが育っていくのではないでしょうか?


市民のちから

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小山:市民が自分の力に気がついて、社会を変えていくというは素晴らしいですね。実際にコミュニティ・オーガナイジングを実践して変化を起こされた事例があれば聞かせていただけますか?

安谷屋:事例として、東日本震災後コミュニティ・オーガナイジングを活用して活動を継続し、広げている「まんまるママいわて」という団体があります。

こちらの団体は、岩手県で初めてとなる、産前産後ケア施設をつくりました。

東日本大震災後の岩手県で、家族にも地域にも頼れず、孤独に子育てをしているお母さんたちの中でも、特に沿岸部で被害を受けたお母さんたちにとって冷たい体育館に戻っていくことがどれだけ辛いかということをリアルに想像することができ、そんなお母さんたちを助けたいという思いからスタートしました。

「施設を作るのは行政の仕事」と考えていたり、作るための人も経験もお金もなく「宝くじでも当たったらやろう」そんな風にいつも話を終えていたメンバーが、コミュニティ・オーガナイジングに出会って、助ける相手としてみていたお母さんたちが自分たちの仲間になっていきました。

お母さんたちは、お母さん以外の顔も持っています。例えば、ヨガのインストラクターやお菓子作りの得意な人など。その様なお母さんたちが孤独に子育てしている辛さ体験などの共通する想いもあり、同志となって活動を広げていくことになったのです。助ける相手と思っていたお母さんたちが仲間になって活動を広げていくことができたということ、まさに、私が私たちになっていったことがこの活動の素晴らしさだと思います。

その後もコミュニティ・オーガナイジングを活用して、他の地域でも仲間を増やして、今も継続して活動をされています。

東日本大震災からの復興においてコミュニティ・オーガナイジングがこのように活きることには大きな納得感があります。というのも、私自身2013年12月から福島県内で復興支援員として、復興に携わり、「支援」って何なのか深く考えるきっかけがあったからです。

そのときに研修の位置づけとして参加したプログラムにコミュニティ・オーガナイジング・ジャパンのワークショップがありました。

同志の資源を活かす、その資源には物理的なものだけではなく、想いや経験、関心も含まれるということが、目からウロコでした。

当時、復興支援の現場には、地域の外からのヒト・モノ・カネが当然たくさん入ってきていましたが、それらの資源は枯渇していくので、地域の人たちだけで継続できることが増えれば、地域の人たちの「復興したな」と言う実感も広まるし、私たちの仕事は地域の人たちの資源を活かす方法を考えることだと、思えるようになりました。


寄付キャンペーンから見えたこと

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小山:震災の復興の現場に行かれたからこそ、支援のあり方について考えるきっかけとなったのですね。ありがとうございます。
そんな安谷屋さんが、コミュニティ・オーガナイジング・ジャパンの事務局長として運営していく中で仲間の力を感じたことはありますか?

安谷屋:2019年9月の1ヶ月間COJとして初めての寄付キャンペーンを行いました。

この寄付キャンペーンをしてよかったのは、お金を集めることがクラウド・ファンディングじゃないということに気付けたということです。
つながりを作ったり、すでにあったつながりをもう一度強くすることができるのがキャンペーンなんだなということがわかったのです。
そして、寄付をしてくださった方とつながれることが、私たちの活動の力になっていくことを実感することもできました。

毎月定額を払い続けるというのは、なんとも思っていなかったらなかなかできないですよね。

「良いものだからみんなのものにしたい!」
「応援するよ!」というみなさんの気持ちを強く感じ嬉しく思いました。

実践としても、とても学びがありました。
例えば、寄付をお願いする、イベントに誘う。
実際に私たちはコミュニティ・オーガナイジングの実践のコーチもしていますが、自分たちが実際にやるのはとても難しいと感じました。
相手からどんな反応をもらうんだろうと思うとこわかったです。

ですが、実際にやってみると、
「久しぶりに声をかけてくれて嬉しかった!」
と言ってもらえて、やってみて乗り越えられた壁もたくさんありました。

そして、キャンペーンのゴールに向かってチームが走っていくときに、チーム全体が成長していくことを実感できたことも大きな学びでした。

メンバーには海外出張がある人などもいて、残り1週間の時点で寄付者が目標100人のところ30人位だったんです。
そのとき、「目標達成はもう無理なのかな…」と諦めかけたのですが、ミーティングに集まったメンバーは、誰一人諦めていなかったのです。

個別に何人声掛けする、など目標を立てたり役割分担はしていましたが、なかなか手を動かす時間をとれないところで、オンラインではあっても、ミーティング後半を作業時間に充て、みんなで一緒に手を動かす時間にしたことなどはとても良かったです。

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そういう、一人ではなくチームでできることを積み重ねた結果、最後の1週間で残り70名を集めることができました。
最初の頃はサイトを見に来る人が1日一桁の日もあったので、信じられなかったです。
成功できたのは一回作ったサイトの文言なども、フィードバックを踏まえて都度都度変えるなどの柔軟性を持てたことと、チームメンバーそれぞれの強みを持ち寄れたこと、オンラインではあっても「みんなで前に進む事ができている」感を持てたことが理由だと思っています。

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一般的に、寄付をしようと思ったら、自分が出したお金がどう使われてどういう結果につながるかわかった方が寄付したくなると思います。
しかし、私たちは、コミュニティ・オーガナイジングという方法論(いわばツール)をワークショプで周知し、それを使って実践をしたいという場合のサポートをしている団体なので、特定のIssueに限定できません。その前提でどうお願いするのかが難しかったです。


いくらあれば何ができるか?

小山:寄付キャンペーンのお話とてもステキだと思いました。最後に、私たちGiftも寄付文化を作っていきたいと思って活動をしているので、寄付についてどのように考えていらっしゃるのかを聞かせていただけますか?

安谷屋:1000円の寄付が100人の人からいただけると、月額10数万事務所経費が賄えます。
毎月決まって入ってくるものがあればちょっと無理な仕事にもチャレンジできるので、今までだったら諦めなければならなかったことができるようになります。

寄付の場合は、入ってくるお金も重みが違います。気持ちを頂いて責任が重たいというのは正直感じています。
寄付してくださった方への定期的な発信は続けていきたいですが、思うようには進められておらず、申し訳なく思っています。
また、チームで話し合っていて、感謝祭をしようと思っています。(1月26日に開催しました。)

サポーターになってよかったと思ってもらえるように、COJとして「おかしいな」と思うことに声をあげられ、みんなで変えていくことができる社会を実現できるように、今後も活動を継続していきたいです。


終わりに

寄付は、誰にでもできる未来への投資だと思っています。それは、市民が自らの意思で社会を変える一歩なのではないでしょうか?
もし、私ひとりで社会を変えることができるならそうしたいところですが、残念ながら私にはそんな力はないので、そのような想いを持って活動をしている団体を信じて託したいと思うのです。
何かできないかと思う人が立ち上がりやっていることを応援し、希望の持てる未来を、次の世代のために恩送りすること。
無理をする必要はなく、できる範囲で少しだけ、この世界が良くなるためにあなたの資源を使っていきませんか?
自分の誕生日に未来へ希望を託す寄付をする社会が広がることを願って!

コミュニティ・オーガナイジング・ジャパンへの寄付はこちらから
http://communityorganizing.jp/support/donate/

Giftへの寄付はこちら
https://syncable.biz/associate/gift


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特例認定NPO法人Giftの代表をしています。Giftは「社会の隅々にまで希望が広がる寄付を日常に。そして文化に。】というミッションで活動しています。