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私たちは普段さまざまにからだを動かしていますが、改めて考えてみると、ほとんどのからだの動きについて私たちは何も知りません。 「指一本動かすこと」についてすら、どのような仕組みで、どのようにその機能が果たされているのか、私たちは何も知りません。 スマホがいったいどんな仕組みで動いているのか、多くの人が何の知識も無いままに使っているように、からだについても私たちはほとんど何も知らないのです。 私たちは、成長する過程で身に付けた「何となくこうすると指が動く」というきわめて感覚
人間の直感に関する研究で、アイオワ大学の研究グループが面白い実験をしています。 どんな実験かというと、裏に「○○ドルの勝ち」「○○ドルの負け」と書かれたカードを被験者に一枚ずつ引いていってもらって、 最終的に儲けが出れば勝ちというゲームをやってもらうのです。 カードには赤いカードと青いカードの二種類があって、 それぞれの山が二つずつ、合計四つの山が用意してあるので、毎回その四つの山からどれか一枚のカードを引くような形になります。 赤いカードの方は大勝ちもあれば大負けのカ
整体では「忘れる」ということをとても大切にします。ですから講座などでも「メモを取らずに話をしっかり聞いて、そして後は忘れなさい」などと言われたりするのです。 それはシュタイナー教育でも同じで、「忘れる」というプロセスを丁寧に挟み込んだカリキュラムで授業を構成します。 初めはその理由が何だかよく分かりません。普通は「忘れないようにきちんと覚えておかないと」と、そう考えると思います。 ですが、よくよく考えてみると、私たちのあらゆる活動の巧みさは「忘却」というプロセスの上に
今月の愉気の会は「穴追い」の実習を行ないました。(2016年11月のこと) 穴追いというのは整体の手当ての一つで、からだの皮膚の上の穴のようなものをひたすら追いかけて愉気していくという不思議な技法です。 「皮膚の上の穴」というのも何だかよく分からないですし、「穴が動く」ということもよく分かりませんから、考え出すと頭が混乱してきてしまうかも知れませんが、今回の参加者の方たちはみなさん素質があるのか、あまり深く考えずに(笑)実習に入っていただけたので、比較的スムーズに実習を行
あるとき、何人かの人と一緒に駅への帰り道を歩いていた時のこと。 その中に4~5歳くらいの女の子が一人混じっていました。子どもはその子だけで周りは大人ばかり。 みんなでワイワイしゃべりながら駅へと歩いていたのですが、駅まであともう少しというところまで来て、その女の子がおもむろに「足が痛~い」と言ってペタンと座り込んでしまいました。 「あともう少しだから頑張ろうよ」と周りの大人に励まされても、「痛い」の一点張りでしゃがみ込んでしまって、まったく立ち上がりそうにもありません。
1.無意識の検閲私たちが意識できていることというのは、ほんのごくわずかであって、無意識や潜在意識のレベルでは非常に多くのことを感じ取っていると言われます。 それはつまり、私たちはいろんなことを感覚してはいるけれど、それらの情報を何らかの形で取捨選択しているということで、しかもそれは私たちの意識にのぼらないところで行なわれているということです。 たしかに私たちの身の回りにはつねに多くの情報が氾濫していて、それらのすべてを一つ一つ意識して「これは必要、これは不要」などと選別し
1.からだがやってくれていることたとえば「ノドが渇いたなぁ…」と感じたとします。「水を飲もう」と思い立って戸棚からコップを取り出し、水道の蛇口をひねってコップに水を注ぎ、ゴクゴクとその水を飲み干します。 それは多くの人にとってはさほど難しい行動ではないでしょう。たいていの人はほとんど何気なしに行い、気にも留めていないかも知れません。 ですが、そこで行なっている行動を改めてひとつひとつ考えてみると、「自分がいったいどうやっているのか」よく分からないのではないでしょうか? み
1.活元運動「活元運動(かつげんうんどう)」というのは、野口整体の中でももっとも基本的で代表的なメソッドです。 ですが、本で読んだだけだといったいどんなものなのか空想しづらいので、野口整体のことは知っていても活元運動についてはよく知らないとか、やったことがないという方も多いかと思います。 活元運動は「錐体外路系運動の訓練法」とも呼ばれますが、内臓の運動や反射的な動きといった、私たちが無意識のうちに行なっている動きを活性化させることを目的としたメソッドです。 それはたとえ